65歳以上・無職世帯の貯蓄はいくらか。60歳代の貯蓄は平均と中央値に乖離も

2022年9月に公開された総務省「家計調査年報(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)貯蓄・負債の概要」によると、2021年における世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上)の貯蓄額は2342万円でした。

出所:総務省「家計調査年報(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)貯蓄・負債の概要」をもとに筆者作成

貯蓄の種類別にみてみると、預貯金が623万円、定期性預金が924万円のほか、生命保険などに403万円、有価証券に388万円と分かれています。

2016年から2021年まで増減はあるものの、65歳以上の無職世帯には平均で2000万円以上の貯蓄があるとみられます。

65歳以上の無職世帯で貯蓄額が平均値で2000万円を超えているとはいえ、すべての世帯にゆとりがあるわけではありません。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」をみると、60歳代の夫婦世帯の貯蓄額の平均値(金融資産を保有しない夫婦を含む)は1819万円ですが、中央値は700万円です。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](令和4年)各種分類別データ」では、平均値が1388万円ですが、中央値は300万円です。

このように平均値と中央値が乖離しているのは、「2000万円以上」の中に2000万円を大きく超える貯蓄を有する世帯が含まれていることが要因の一つです。2000万円以上の貯蓄を保有する少数の世帯が、平均値を押し上げているといえます。