【65歳以上のリタイア世帯】平均貯蓄額はいくら?
金融庁・金融審議会の「市場ワーキング・グループ」が試算した結果によると、老後の生活費は2000万円が必要とされています。いわゆる「老後2000万円問題」として話題となりました。
では、65歳以上のリタイア世帯では、実際にどのくらいの貯蓄があるのでしょうか。
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に、世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄をみてみましょう。
世帯主が65歳以上・無職世帯の貯蓄額(2021年)
- 貯蓄現在高:2342万円
2016~2021年までをみると、いずれの年も2000万円を超えているのがわかります。
上記は平均ですが、より詳しく60歳代の貯蓄を確認するために、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」より60歳代の貯蓄分布をみてみましょう。
60歳代二人以上世帯の平均貯蓄額は1819万円
上記はリタイア世帯以外も含みますが、同調査によると60歳代で二人以上世帯の平均貯蓄額は1819万円という結果でした。
より実態に近い中央値は700万円となっており、いずれも老後に必要とされる資金2000万円をクリアしていません。
実際に2000万円以上の貯蓄のある世帯は全体の29.1%です。一方で、貯蓄なしの世帯が20.8%を占めています。
60歳代単身世帯の平均貯蓄額は1388万円
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](令和4年)各種分類別データ」によると、60歳代単身世帯の平均貯蓄額は1388万円でした。なお、2000万円以上の貯蓄がある世帯は、全体の23.7%にとどまります。
また、貯蓄なしの世帯が28.5%を占め、100万円未満の世帯が8.0%を占めていることもあり、中央値は300万円となっています。
貯蓄額が300万円前後の場合、予定外の出費が重なったときなどに貯蓄が不足してしまう心配があるでしょう。
65歳以上のリタイア世帯のおおよその貯蓄状況がわかりましたが、次に気になるのは毎月の収支ではないでしょうか。毎月いくらの収入がありいくら出費があるのか、次章で詳しく見ていきましょう。