まとめにかえて
おひとりさまの平均貯蓄額と老後の必要額について紹介しました。
老後のために用意するべき額は、その人の支出額や年金受給額、寿命によって異なります。
ただし、寿命を事前に知ることはできないため、完璧な老後の必要額の把握は難しいでしょう。仮に100歳まで生きた場合、総額で多額の生活費が必要になります。
年金は、生きている限り同額が受け取れる「長生きに備える保険」です。
年金の受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」を選択すれば、年間の年金受給額が増えます。
現在、繰下げ受給を利用している人はわずか1%ほどですが、年間受給額を増やせる制度なので、65歳以降も働くなどして年金の受給開始を遅らせ、繰下げ受給の利用を検討するのも一つでしょう。ただ、本当に得かは個人差があるので慎重に検討しましょう。
また、iDeCoやNISA制度で老後に備えるのも一つです。運用はリスクがありますが、老後資金に備える選択肢の一つにはなりますので、まずは情報収集から行ってみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 総務省統計局 「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」
- 厚生労働省年金局 「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
苛原 寛