3. 【JTの株価】12月末の配当落ちが急落の要因か
2022年12月の急落は「配当落ち」というメカニズムが影響していると思われます。
「配当落ち」とは権利落ちとも呼ばれ、次の配当を受け取る権利がなくなることを意味します。
株の配当は、特定の日に株を保有していたかどうかで決まる仕組み。12月決算の銘柄の期末配当を受け取る権利は、12月30日に株を保有していれば発生します。
株の受渡は通常約定日から2営業日なので、2022年のJTの場合は12月28日に株を約定すれば、次の配当を受け取ることができましたが、12月29日には権利がなくなるため「配当落ち」となります。
配当の権利落ちにより、配当1回分の収入が減ることは投資家にとってはネガティブなため、配当落ちでは通常株価が下落します。JTの場合、2022年の中間配当が75円だったため、2022年12月末分の配当は113円となる予定です。理論上にはなりますが、この113円分株価に下落圧力がかかることになります。
ただ株価はその他の要因でも値動きしていますので、理論どおりになるとは限りません。
実際にJTの株価は12月29日に前日比167円安、-5.9%の下落幅となりましたが、大部分は配当落ちによるもので、JTの業績などに対して大きな変化や懸念があったわけではないと考えられるでしょう。