4. 選択肢を広げるための「資金力」を手に入れろ
そもそも年金受給を繰下げるためには、受給開始までの間の生活資金が確保できている必要がありますね。
最大10年の繰下げ期間はありますが、一定の増額効果が現れる「5年以上の繰下げ」を行うことを考えた場合、ひと月の生活費を20万円と見積もると、5年間で1200万円の自己資金が必要になりますね。
また、「年金の支給開始年齢の引き上げ」自体が続けば、繰下げ受給を考えていなかった場合でも、自分の意志とは関係なく収入がない期間が発生する可能性があることも想定しておいたほうがよいかもしれません。
そして、先ほども触れた通り、繰下げ受給を行うことで、老後の労働でもらえるはずだったものがなくなってしまうという落とし穴もあります。
老後資金を事前に蓄えるにしても、最近の物価高では、毎月の貯金額を増やすのが難しいかもしれません。月々の貯蓄の一部を資産運用に振り分けるなど、効率的にお金を増やす工夫を視野に入れても良いでしょう。
参考資料
足立 祐一