3. 独身でも厚生年金を20万円以上にするには年収いくら必要か
標準的な夫婦の場合、2023年度の2人分の年金額は22万4482円であると公表されました。
1人で20万円以上を受給する割合は、男性で22.5%、女性で1.23%とのことですが、いくらの年収があれば可能なのか見ていきましょう。
厚生年金の受給額は、次のように計算します。
- 2003年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- 2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
加入した年代によって計算方法が変わるため、ここでは2003年4月以降、厚生年金に38年間(456月)加入したケースで計算します。
国民年金(老齢基礎年金)を満額として78万円もらうと仮定すると、厚生年金では13万5000円、年額162万円ということになります。
平均標準報酬額×5.481/1000×456=162万円
となるため、平均標準報酬額は約64万8000円となりました。
日本年金機構の「厚生年金保険料額表」によると、報酬月額63万5000円以上の方は、等級32である「標準報酬月額」65万円に該当します。
38年間の報酬月額が63万5000円以上(年収で762万円)であれば、厚生年金を月平均20万円見込めるということになります。
厚生年金の加入期間が長ければ、報酬の目安はもう少し引き下げられます。
ただし、厚生年金を算出する標準報酬月額には上限があるため、一定ラインを超えるとそれ以上が望めなくなります。
つまり、若いときから年収762万円近くを稼いでいないと、後からリカバリーするのは難しいということです。
厚生年金として月20万円以上を受給するのは、やはり簡単でないことがわかります。