60歳代「貯蓄ゼロのおひとりさま」の割合は?平均貯蓄額も確認

では、仕事を辞めて年金生活に入る方も多い60歳代の貯蓄はどれくらいでしょうか。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成

60歳代おひとりさま貯蓄の平均と中央値

  • 平均:1860万円
  • 中央値:460万円

60歳代の方は現役世代の貯蓄と比べると、平均も中央値も多いのがわかります。貯蓄ゼロは28.8%と、現役世代よりも少なくなっています。

60歳代になれば退職金や相続資産が入る方もおり、貯蓄が十分ある方もいるでしょう。

ただし、それは退職金が入る方、ある程度の退職金が見込める方になります。

退職金や相続資産の予定がない方は、ご自身で貯蓄を貯める必要があります。

仕事のみに頼らない資産設計を

30~60歳代のおひとりさまの貯蓄を見ると、年代別に平均・中央値ともに上がっていくのがわかりました。

ただ平均と中央値の差が大きいことから、個人差が大きいことがわかります。

また、30~50歳代までは貯蓄ゼロの方が3割強、60歳代では2割強おり、貯蓄がない方も一定数いることがわかります。

まずはご自身の収支を確認し、毎月一定額を積み立ててから生活する「先取り貯金」を、できるだけ早い年代からはじめることが大切でしょう。一度設定すれば、あとはほったらかしでも貯まるものが多いですから、ご利用をおすすめします。

老後については「働けるだけ働くから」と深く考えない方もいらっしゃいますが、いつ働けなくなるかは誰にもわかりません。早いうちから将来の年金受給予定額を確認し、貯蓄習慣をつけることが重要といえます。

2024年からは新NISAがはじまる予定です。資産運用はリスクがありますが、きちんと情報収集して自身に合った運用を行うことで老後に備える選択肢の一つになるでしょう。

長く働くことは重要ですが、仕事以外の方法で老後に備える方法についても考えてみてください。

参考資料

宮野 茉莉子