近年増えている「おひとりさま」。
独身の方や離別・死別などさまざまな背景の方がいますが、ひとりで生活するからこそ早めに考えたいのが「老後資金」です。
老後の生活を支えるのは主に「年金と貯蓄」ですが、みなさん年金額はおよそどれくらいかご存知でしょうか。
厚生労働省が公表した令和5年度の年金額改定によると、国民年金と厚生年金の月額は以下の通りでした。
令和5年度の国民年金と厚生年金の年金額例(新規裁定者67歳以下の方)
- 国民年金:6万6250円(前年度+1434円)
- 厚生年金(国民年金を含む。会社員の夫と専業主婦のモデル夫婦):22万4482円(前年度+4889円)
上記は年金額例となっており、実際には加入している年金や加入状況によって異なります。まずはねんきんネットやねんきん定期便でご自身の受給予定額を確認することが大切でしょう。
ただ年金のみでは足りない可能性が高まっていますから、計画的な貯蓄が必要です。
実際に今のおひとりさまはどれくらい貯蓄を保有しているのかみていきましょう。
30歳代「貯蓄ゼロのおひとりさま」の割合は?平均貯蓄額も確認
今回は2022年2月14日に公表された金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」より、年代別におひとりさまの貯蓄額をみていきます。
まずは30歳代から確認しましょう。
30歳代おひとりさま貯蓄の平均と中央値
- 平均:606万円
- 中央値:56万円
30歳代はこれから結婚予定の方もいますが、平均で600万円台、中央値では56万円まで下がりました。
平均は一部の富裕層に影響されるため、より実態に近いのが中央値です。
中央値がこれだけ下がるのは、貯蓄ゼロの方が36.3%と多くを占めるのも一因でしょう。
40歳代「貯蓄ゼロのおひとりさま」の割合は?平均貯蓄額も確認
同調査より、40歳代のおひとりさまの貯蓄を確認します。
40歳代おひとりさま貯蓄の平均と中央値
- 平均:818万円
- 中央値:92万円
40歳代で中央値は92万円となっていますが、100万円は超えませんでした。
その一因として、現代の40~50歳代の方は大卒でも正社員での就職が難しかった「就職氷河期世代」であることも考えられます。
35.7%の方が貯蓄ゼロでした。
50歳代「貯蓄ゼロのおひとりさま」の割合は?平均貯蓄額も確認
定年前、50歳代の貯蓄を確認しましょう。
50歳代おひとりさま貯蓄の平均と中央値
- 平均:1067万円
- 中央値:130万円
50歳代は平均で1000万円を超えました。
一方の中央値は130万円となっており、貯蓄ゼロは35.7%となっています。40~50歳代のおひとりさまの貯蓄ゼロの割合は同じでした。
60歳代「貯蓄ゼロのおひとりさま」の割合は?平均貯蓄額も確認
では、仕事を辞めて年金生活に入る方も多い60歳代の貯蓄はどれくらいでしょうか。
60歳代おひとりさま貯蓄の平均と中央値
- 平均:1860万円
- 中央値:460万円
60歳代の方は現役世代の貯蓄と比べると、平均も中央値も多いのがわかります。貯蓄ゼロは28.8%と、現役世代よりも少なくなっています。
60歳代になれば退職金や相続資産が入る方もおり、貯蓄が十分ある方もいるでしょう。
ただし、それは退職金が入る方、ある程度の退職金が見込める方になります。
退職金や相続資産の予定がない方は、ご自身で貯蓄を貯める必要があります。
仕事のみに頼らない資産設計を
30~60歳代のおひとりさまの貯蓄を見ると、年代別に平均・中央値ともに上がっていくのがわかりました。
ただ平均と中央値の差が大きいことから、個人差が大きいことがわかります。
また、30~50歳代までは貯蓄ゼロの方が3割強、60歳代では2割強おり、貯蓄がない方も一定数いることがわかります。
まずはご自身の収支を確認し、毎月一定額を積み立ててから生活する「先取り貯金」を、できるだけ早い年代からはじめることが大切でしょう。一度設定すれば、あとはほったらかしでも貯まるものが多いですから、ご利用をおすすめします。
老後については「働けるだけ働くから」と深く考えない方もいらっしゃいますが、いつ働けなくなるかは誰にもわかりません。早いうちから将来の年金受給予定額を確認し、貯蓄習慣をつけることが重要といえます。
2024年からは新NISAがはじまる予定です。資産運用はリスクがありますが、きちんと情報収集して自身に合った運用を行うことで老後に備える選択肢の一つになるでしょう。
長く働くことは重要ですが、仕事以外の方法で老後に備える方法についても考えてみてください。





