内閣府は「月例経済報告」で、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。」とし、先月の緩やかに持ち直しているを改めました(2023年1月25日公表)。

前月に比べると個人消費は「緩やかに持ち直している」ですが、輸出や輸入がおおむね横ばいから「このところ弱含んでいる」になっています。

ご家庭ではコロナ禍での収入減少やインフレに伴う支出増により、去年から家計が苦しい状況が続く方も多いでしょう。

日本では一般的な世帯の年収は400万円台と言われています。

では、年収400万円台の「ふつうの世帯」はどのくらい貯蓄があるのか、確認していきましょう。

個人の年収と世帯年収「400万円台」の割合は?

日本では年収400万円台が日本の「ふつうの世帯」なのでしょうか。

個人で年収400万円と世帯で年収400万円では異なりますが、今の日本には年収400万円台の個人や世帯はどのくらいいるのか確認しましょう。

個人で年収400万円台の割合

まずは個人で年収400万帯の人はどれくらいいるのでしょうか。

2022年9月に公表された国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円です。

同資料によると、「400万円超 500万円以下」の給与所得者は全体で788万2000人となっており、割合は15.0%です。

1/3

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

同資料より、給与階級別の給与所得者の割合をみると、最も高いのは「300万円超400万円以下」で914万5000人の17.4%、次いで「400万円超500万円以下」の給与所得者となっています。

世帯年収400万円台の割合

では、世帯年収400万台の割合はどれくらいでしょうか。

厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、所得金額400万円以上500万円未満の世帯割合は10.5%です。

2/3

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

同調査によると、平均所得金額は564万3000円、より実態に近い所得の中央値は440万円となっています。

上記を見ると、年収400万円台の世帯は日本の「ふつうの世帯」と言えるでしょう。

日本のふつう「世帯年収400万円台」の貯蓄はいくら?

では、世帯年収400万円台の方はどのくらい貯蓄しているのでしょうか。

世帯年収400万円〜450万円と450万円〜500万円に分けて見ていきましょう。

世帯年収400~450万円の勤労世帯の貯蓄額

2022年5月10に公表された総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」の勤労世帯によれば、年収400万円〜450万円の勤労世帯の貯蓄額は912万円です。

この世帯の家庭状況は以下のとおりです。

  • 世帯人員:3.10人
  • 世帯主の年齢:50.7歳
  • 年間収入:426万円

貯蓄額912万円の内訳は以下のとおりです。

金融機関:897万円
 通貨性預貯金:317万円
 定期性預貯金:303万円
 生命保険など:225万円
 有価証券:52万円
  貸付信託・金銭信託:3万円
  株式:23万円
  債券:11万円
  投資信託:15万円
金融機関外:15万円

912万円の貯蓄額のうち620万円、約68%を預貯金が占めます。

一方で負債額は521万円であり、貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額は391万円です。

世帯年収450~500万円の勤労世帯の貯蓄額

同資料によれば、年収450万円〜500万円の勤労世帯の貯蓄額は784万円です。

この世帯の家庭状況は以下のとおりです。

  • 世帯人員:3.18人
  • 世帯主の年齢:49.8歳
  • 年間収入:474万円

貯蓄額784万円の内訳は以下のとおりです。

金融機関:765万円
 通貨性預貯金:277万円
 定期性預貯金:237万円
 生命保険など:157万円
 有価証券:94万円
  貸付信託・金銭信託:2万円
  株式:39万円
  債券:4万円
  投資信託:49円
金融機関外:19万円

765万円の貯蓄額のうち514万円、約67%を預貯金が占めます。

負債額は693万円で、純資産額は72万円です。

年収400万円〜450万円の世帯より年収は多いものの、貯蓄額、純貯蓄額ともに少ないことが分かります。

「世帯主の配偶者のうち女の有業率」を見ると、年収400万円〜450万円の世帯は39.1%なのに対して、年収450万円〜500万円では48.2%と約10%も上昇します。

年収450万円〜500万円の家庭は決して余裕があるわけではなく、「配偶者が働くことで年収が上がっている」、言い換えれば「配偶者が働かないといけない厳しい家計状況にある」と言えるかもしれません。

年収400万円帯の「ふつうの世帯」の負債状況

負債額で最も大きな割合を占めるのが住宅ローンです。

先程の資料によれば、年収400万円帯の世帯の負債額と住宅ローンの割合は以下のとおりです。

3/3

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」をもとに筆者作成

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」をもとに筆者作成

世帯年収400万円台の世帯の負債額の大半を住宅ローンが占めます。

しかし、負債ではありますが、手元に不動産という資産が残るので、意味のある負債ともいえるかもしれません。

「ふつうの世帯」は生活状況に合わせた貯蓄方法を選ぼう

日本の「ふつうの世帯」である年収400万円台の世帯では、400万円〜450万円の世帯で912万円、450万円〜500万円の世帯で784万円の貯蓄があります。

一方で負債の90%以上を占める住宅ローンの負担が重く、純資産額はそれぞれ391万円、72万円でした。

住宅ローンは必要経費ともいえますので、貯蓄を増やしたい場合、通信費やガス代など日頃の固定費を見直す地道な努力が必要かもしれません。

貯蓄額の7割近くを預貯金が占めていますが、生活に余裕があれば、NISAやiDeCoなどの資産形成をはじめることも選択肢の一つです。

リスクはありますが、2024年からの新NISAについて「令和5年度税制改正大綱」でとりまとめられており注目も集まっています。

物価高の今、預貯金だけでなくさまざまな選択肢を持ち、貯蓄を増やしていく工夫をすることが大切でしょう。

参考資料

LIMO編集部