1. 三井住友FGの株価の上昇要因1.2023年3月期第2四半期の好決算や業績見通し修正を好感
2022年11月に発表された三井住友フィナンシャルグループの2023年3月期第2四半期決算※の好業績が、上昇のきっかけの一つになったと考えられるでしょう。
※資料によっては「2022年度上期」という表記もありますが、本記事では2023年3月期第2四半期決算と記載します。
同決算は2022年4-9月の業績をまとめたものですが、市況悪化を背景にSMBC日興証券のリテールビジネスが苦戦したにもかかわらず、本業である銀行ビジネスなど他の金融事業がカバーしたことで連結業務純益は7219億円となり、上期での過去最高益を記録しました。
前年同期比でも+1358億円と大幅な増益となっています。
また、同決算においては2023年3月期の通期見通しを期初の7300億円から7700億円に上方修正したことも、投資家に好感されたと言えるでしょう。
2. 三井住友FGの株価の上昇要因2.増配予定額を230円に引き上げと自社株買い
11月の2023年第2四半期決算に際しては、積極的な株主還元策を発表したことも、決算発表後の株価上昇を力強いものにする原動力となりました。
まず、配当については期初に予定されていた220円から10円引き上げ、年間230円とする見通しを発表。2021年3月期が190円、2022年3月期の年間配当が210円であったことから、2年連続の増配をより確実なものとしたことが、配当を重視する投資家には好感されました。
さらに、同決算においては自社株買いの枠拡大も発表されました。
もともと2021年11月に1000億円設定されていたものに加えて、さらに1000億円と総額2000億円の自社株取得枠が設定されたのです。取得した株は全株消却予定であることも発表されています。
自社株買いは、資本効率の改善などの効果が期待できるため、株価の上昇につながるケースがあります。
枠はあくまで上限であり、実際に2000億円全額を取得するとは限りませんが、上限拡大が自社株買いに積極的であるとの印象を持たれ、株価に上昇圧力をもたらしたと思われます。
このような配当や自社株取得枠の設定など、株主還元を意識した施策が好感され、三井住友フィナンシャルグループの株価は11月の決算発表後も上昇トレンドが続いたと考えられるでしょう。