老後2000万円問題も話題となりましたが、老後に対する不安を抱えつつ、具体的な対策がわからない方も多いのではないでしょうか。
年金だけで老後を暮らせないとなると、貯蓄で備えるか、働き続けることが重要となります。
今の高齢者でも、定年退職後に再雇用や定年延長で働く方が増えています。
労働者にとってはメリットがありますが、企業にとっても高齢者を雇用するメリットはあるのでしょうか。
高齢者の雇用を取り巻く現状について、2022年12月16日に公表された厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」から紐解きます。
高齢者の雇用は拡大中
2022年12月16日に公表された厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」によると、調査した企業のうち定年制を廃止した企業は3.9%、定年を引き上げた企業は25.5%、継続雇用制度を導入した企業は70.6%にのぼりました。
また、全企業のうち、定年を65歳とする企業は5万2418社で22.2%です。中小企業で22.8%、大企業で15.3%となり、いずれも前回調査より増加しています。
66歳以上まで働ける制度のある企業
調査対象の企業において、66歳以上まで働ける制度のある企業は9万5994社で40.7%でした。
中小企業では41.0%、大企業では37.1%で増加しています。
また、70歳以上まで働ける制度のある企業は9万2118社で39.1%。こちらも前回調査より増加しています。
一昔前は60歳で定年退職を迎えることが一般的でしたが、今では働き続ける人が年々増加している現状にあるのです。
経済的に魅力があることはもちろん、健康維持や社会との繋がりなど、高齢者にとって働くことはメリットが大きいといえます。
一方で、企業側にとって高齢者を雇用するメリットはあるのでしょうか。
高齢者を雇用するメリット2つ
企業にとっても、高齢者を雇用するメリットがあります。1つずつみていきましょう。
1. 助成金が受け取れる
厚生労働省では、高年齢者の雇用を確保する事業主を支援しています。具体的には、「65歳超雇用推進助成金」や「生涯現役起業支援助成金」などの支給があります。
とはいえ、体制を整えるにはさまざまな課題があることも事実です。
こうした企業に向けて、厚生労働省では「65歳超雇用推進プランナー」や「高年齢者雇用アドバイザー」による相談・助言サービスをはじめとした各種事業を実施し、企業を支援しています。
2. 労働力が確保できる
現状では少子化の影響もあり、働き世代は減少傾向にあります。年代や業種によって異なるものの、労働人口が足りない業界も存在します。
働くシニアが増えることで、こうした労働力不足をカバーできるでしょう。
また、現代では終身雇用がなくなりつつあり、転職も活発に行われます。優秀な人材がスキルを活かして活躍できる一方、業界によっては技術を継承しにくいところもあるでしょう。
シニアが働くことで、若者に技術を伝えていくメリットもあります。
シニアが働きやすい時代へ。貯蓄事情も見る
高齢者にとって、制度の面からも働きやすい時代に突入したと言えます。働く理由の一つに「お金」があると推察できますが、今のシニアはどれほどの貯蓄があるのでしょうか。
60歳代と70歳以上にわけて確認します。
60歳代の貯蓄
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」によると、60歳代の二人以上世帯の貯蓄額の平均は2427万円、中央値は810万円でした。
貯蓄3000万円以上の世帯割合は22.8%にのぼります。
70歳代の貯蓄
同資料によると、70歳以上の世帯(二人以上世帯)の貯蓄額平均は2209万円、中央値は1000万円です。
また3000万円以上の貯蓄を保有する世帯は、全体の22.1%となりました。
とはいえ、60歳代の19.0%、70歳代の18.3%は貯蓄ゼロとなっています。世帯によっては貯蓄が足りず、働いている世帯もあることがうかがえます。
現役世代こそ老後の備えを早めに考える
高齢者のお金事情を見ていきました。制度が拡充され、今後も働く方は増えていくでしょう。
今の高齢者の貯蓄事情を見る限り、十分に備えている方と老後資金のない方は二極化傾向にあることがわかります。
これは現役世代の貯蓄額にも見られる傾向です。退職金の制度も不明確な今、現役世代にとっても「定年退職後の働き方」は考えておく必要があるでしょう。
もちろん、リタイアして悠々自適に過ごすことも一つの選択肢です。そのためには、年金だけで不足する分の貯蓄が必要になります。
定年退職後の生活について、今のうちにしっかり考えておきたいですね。





