大寒にまつわる伝統的な食べ物

冬至によく「かぼちゃ」が食べられているように、大寒の時期にもよく食べられている食べ物はあるのでしょうか。

実は、地域によっては「大寒にまつわる食べ物」は存在します。

本章では、その中から厳選して「かんざらし」と「かんずり」について紹介していきます。

かんざらし

出所:農林水産省「うちの郷土料理 かんざらし 長崎県」

かんざらしは、長崎県島原市一帯で食べられており、米粉(白玉粉)で作った団子に、砂糖で作った蜜をかけて食べる伝統スイーツとなっています。

かつて島原市一帯では、大寒の時期になると、くず米を石臼で水びきし、その沈殿物である米粉を乾燥させて作っていたことから、「かんざらし」と呼ばれるようになったようです。

当時は大寒の時期に米粉を作り始め、夏頃になると来客へ寒ざらしを振る舞っていたのが発祥とされています。

かんざらしは基本的に夏場に食べるものですが、どのシーズンにおいても美味しく食べられるスイーツなので、一度食べてみてはいかがでしょうか。

かんずり

かんずりは、新潟県妙高市に伝わる、塩漬けされた唐辛子をベースにした伝統の発酵調味料となっています。

大寒である1月20日前後に、かんずりの仕込みを始めることから「寒造里(かんずり)」と呼ばれるようになったようです。

新潟県は豪雪地帯であるため、厳しい寒さで冷えた体を温めるために食べられていたのが発祥とされています。

かんずりは、唐辛子ベースとなっていることから、寒い冬でも体が温まりやすくなるため、大寒の時期にこそ、かんずりを料理に使用してみると良いでしょう。