1. 還暦60歳代で「貯蓄がない世帯」は何割か。円グラフで見る
まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとに、60歳代の貯蓄分布を確認しましょう。
1.1 還暦60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額
(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
60歳代は「貯蓄ゼロ」が19.0%、「3000万円以上」が22.8%。それぞれ約2割存在しており、二極化の傾向がみてとれます。
円グラフをみると、ほぼ4分の1ずつ、「貯蓄100万円未満」「100~1000万円未満」「1000~3000万円未満」「3000万円以上」の層に分かれていますね。
60歳代は定年退職金や相続資産といった、大型の収入がある世帯が増える時期。20歳代~70歳代の全世代の中で、平均貯蓄額が最も多くなっています。
とはいえ、平均は一部の富裕層によって引き上げられる傾向があります。そこでより実態に近い中央値に着目すると810万円。老後のスタート時点で1000万円に満たないのです。