4. 老後に向けてできる対策は?

将来受け取れる年金について、ざっくりとしたイメージが湧いてきたでしょうか。

現役時代の収入・貯蓄・ひと月の生活費などは、もちろん世帯によってさまざまです。同様に、老後の年金受給額も個人差があります。平均額だけを鵜呑みにすることは避けたほうがよいでしょう。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、世帯単位の年金見込み額を把握しておくことをおすすめします。

「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」などを活用した資産運用がクローズアップされる機会が増えました。いずれも「個人の資産形成」を主な目的として始まった税制優遇制度です。

「自分の力でも老後資金の準備を」という国からのメッセージが込められているとも言えるでしょう。2022年4月から、高校の家庭科の授業でも「資産形成」の内容が必修化されました。

自分のお金は自分で守り、育てていく必要があるのです。

教育資金や住宅資金とは異なり、老後資金は「いつまでに・いくら準備すればよいか」が見えにくい項目。目前の出費に追われて、つい後回しになってしまうご家庭も多いでしょう。

2023年は、遠い将来を見据えた資産形成に本腰を入れてみてはいかがでしょうか。まずは情報収集から始めてみましょう。

参考資料

荻野 樹