4.親子で考える相続
年末年始は、家族が一堂に会する貴重なタイミングです。
近況報告も良いですが、そんな時こそ大事なお金の話を生前にしておくことも大切です。生前から助け合う仕組みづくりができれば幸せなことでしょう。
生前の家族会議がうまくいけば、後々にトラブルになるということはほとんどありません。ただし、生前に贈与をした際は、後々の兄弟姉妹間などでトラブルが発生しないよう、元気なうちに「遺言書」に親の想いを記しておくことも大切です。
民法は、満15歳で遺言を作成できるとしています(民法961条)。その理由は、15歳になれば意思能力が認められ遺言能力が備わっているとされるからです。
形式上法的に有効な遺言書を残しても、判断能力が低下した状態で作成してしまうと、「遺言能力が欠けた時に作成したのではないか」と疑義がもたれて争いが生じることがあります。
そのため、「遺言が15歳から作成できる」とした民法の趣旨を理解して、遺言を残すなら心身ともに元気なうちに残すようにしましょう。
今回は世代間の貯金の格差や遺産についての考え方を見てきました。この記事が世代間で金融資産をどう活用するかと考えるきっかけになれば幸いです。
参考資料
齋藤 英里奈