世帯年収1000万円は裕福なイメージがありますが、中には貯蓄がたまらないという方もいます。
なぜ生活していくには十分な収入を得ているはずなのに、高所得貧乏になってしまうのでしょうか。
「今年こそちゃんと貯めたい」という方に向けて、本記事では世帯年収1000万円の割合と「高所得貧乏」に陥る理由を3選を紹介します。
世帯年収1000万円の割合とは
厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の所得の分布状況は以下のとおりです。
1/3
出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
厚生労働省のデータで見てみると、平均所得は564万3000円で、中央値は440万円です。
1000万円以上の割合を見ると10.5%となっており、この数字を見ても1000万円以上を超える難しさがわかるでしょう。
以上の点だけを見ると、世帯年収1000万円はゆとりのある生活ができるようなイメージを抱きます。
しかし、世帯年収1000万円を超えていても、貯蓄ができないケースはゼロではありません。
世帯年収1000万円を超えても高所得貧乏になる人の割合
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、年収1000万〜1200万円の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)は以下のとおりです。
世帯年収1000万円~1200万円未満の貯蓄額
平均値:2361万円・中央値:1200万円
- 金融資産非保有:10.8%
- 100万円未満:4.0%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万未満:7.2%
- 300~400万未満:3.6%
- 400~500万未満:2.0%
- 500~700万未満:4.8%
- 700~1000万未満:5.2%
- 1000万~1500万未満:13.2%
- 1500万~2000万未満:8.0%
- 2000万~3000万未満:10.4%
- 3000万以上:23.2%
- 無回答:2.8%
年収1000万〜1200万円でも、10.8%が金融資産を保有していないとわかります。さらに、「100万円未満」が4%です。
年収は高いものの貯蓄100万円未満と金融資産が少ないことを考えると、年収1000万〜1200万円でも14.8%が「高所得貧乏」といえるのではないでしょうか。
世帯年収1000万円が「高所得貧乏」になる理由3選
では、どのような状況になると「高所得貧乏」に陥るのでしょうか。ここでは主な理由を3つ紹介します。
収入と支出のバランスが合っていない
収入が高くなればなるほど、支出も高くなるというケースは少なくありません。
いくら年収が高くても、収入のすべてが支出に消えてしまえば金融資産を作ることはできず、「高所得貧乏になる可能性がある」といえるでしょう。
特に、年収が1000万円を超えると「ここまで頑張ったのだから」といって生活水準を上げたくなる方もいます。より広い家に住んだり、高い車に乗ったりすると、それだけ賃料やローンなどが高くなってしまいます。
このようなお金の使い方をしていると収入に比例して支出が高くなり、「貯蓄がない」といった状態になりかねません。
計画的な貯蓄ができていない
貯蓄はある程度、計画的に行わないとなかなかうまくいきません。高所得貧乏になっている場合、計画を立てずに「余った分を貯蓄に回せばいい」と考えている可能性があります。
このような考えだと「貯蓄」の意識が低い中でお金を使ってしまうため、結局は貯蓄に回すことができないのです。
しっかり貯蓄できる方は「毎月◯万円を生活費にして、◯万円を貯蓄に回して、残ったお金を交際費や趣味などに使う」など、「使うこと」より「貯蓄」を優先している傾向にあります。
高所得貧乏を避けるためには、お金の貯め方を見直す必要があるでしょう。
所得制限の対象となる制度等を把握できていない
年収1000万前後あたりで、税制で優遇されなくなってしまう制度もあるというのもきちんと意識しておきたいところです。
たとえば、2022年10月には目安年収1200万円以上で、児童手当の特例給付が廃止となりました。
2/3
出所:内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」
高校無償化の所得制限も、家族の働き方や子どもの人数などにより差がありますが、年収910万円~1090万円あたりは対象となり受け取れない方もいるでしょう。
3/3
出所:文部科学省「高校生等への修学支援」
このように、年収1000万円を超えると所得制限の対象となる制度もあることについても予め把握しておき、マネープランを立てる必要があるでしょう。
まとめにかえて
年収が上がるほど、生活水準が上がってしまう点については経験した方もいるでしょう。
今回ご紹介したように「収支のバランスをみること」「計画的に貯蓄すること」「自分が関わる制度の所得制限などを確認しておくこと」は誰にとっても大切といえます。
新たな一年がはじまった今こそ、家計を見直して計画的な貯蓄について考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
- 文部科学省「高校生等への修学支援」
- 内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」
LIMO編集部
