2022年は、金融市場が混乱しました。円安が急速に進行し、物価が上昇するといった、昨年とは大きく異なる様相を見せました。その背景について、簡単に振り返りたいと思います。

きっかけはサプライチェーンの混乱

年初を思い出して原因を考えると、まずはコロナ禍の影響が挙げられます。コロナ禍によって、サプライチェーンの混乱が発生しました。

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sdecoret/shutterstock.com

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たとえば半導体のサプライチェーンの混乱によって、パソコンがなかなか手に入らないという状況が続きました。

そして、アメリカではコロナの影響で労働力が市場に戻らず、生産に遅れが生じることもありました。買いたい人がいても売るものの生産が追い付かず、物価が上がっていくということが起きました。

そして2月には、追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナへの侵攻が起こり、原油価格が高騰
しました。インフレはさらに加速し、アメリカでは物価上昇率が一時、年間8%超の水準に達しました。

日米の金利差拡大により、円安が進行

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Westlight/shutterstock.com

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物価上昇を抑えるために、アメリカの中央銀行は段階的に政策金利を引き上げています。一方で、日本銀行は金利を引き上げていませんので、日米の金利差が拡大し、円を売ってドルを買う動きが進んだことで、円安の流れが加速しました。

アメリカでは、金利を上げてもなかなか物価上昇が収まらず、さらなる金利の引き上げ→景気の先行き不安→株価の下落というスパイラルに陥りました。

2021年は、米国株へのインデックス投資である程度のリターンが得られたと思いますが、2022年は打って変わって、パフォーマンスが安定しない年となりました。

2023年はどうすればよい?

改めて2022年を振り返ると、資産運用の王道と言われる「長期・積立・分散」の中で、最も難しいのは長く続けること(長期)ではないかと感じます。

相場が不安定な状況だと、リターンがマイナスになるなど、年初に思い描いていたような運用成績があげられなかった方も多いのではないでしょうか。

昨年(2021年)であれば米国株が好調でしたが、今年は、他の金融商品に乗り換えたり、利益確定のため売却したりした方もいらっしゃるかもしれません。

長期投資が続けられない方のための、3つのポイント

本来、「長期・積立・分散」投資であれば、短期的な状況を見て売買する必要はありません。
そのことは頭ではわかっているけれど、なかなか実践できないという方は、以下の3つのポイントを見直してみて下さい。

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dian ardi/shutterstock.com

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1. 余裕資金で投資している?

半年から1年分の生活費に加えて、数年以内に確実に使う資金(住宅購入や引っ越し、教育資金など使う予定がある程度見えているもの)は、預貯金などすぐに引き出せる資産として持っておきましょう。

また、相場が下落した際に、安く買うチャンスだと思って、本来投資にまわすはずでなかった資金を使っている場合もあるかもしれません。家計の中で、投資にまわす金額の予算を決めておき、それ以上は投資にまわさないようにしましょう。

2. リスクを取り過ぎていない?

個別株や、株式を対象としたインデックス型の投資信託を保有されている方は多いと思います。多くの場合、株式は、相対的にリスクが高いことから、日々の値動きが大きくなる傾向にあります。

何が起こっても、長期的には成長すると信じて保有し続けられるのであれば問題ありませんが、株式だけでポートフォリオを組むことは、リスクを取り過ぎている可能性があります。

無理なく続けるためには、債券やコモディティなど、株式と異なる値動きをする資産も持つことも検討してはいかがでしょうか。

3. 日々の運用状況を気にしすぎていない?

そもそも「長期・積立・分散」投資は、数か月や数年といった単位で、すぐに成果を実感できるものではありません。中長期的な資産形成を目指し、地道にコツコツ続けていけるかどうかが重要です。

そのうえで、短期の運用成績はできる限り気にしないことが、長期投資継続のポイントとなります。スマートフォンのアプリで、手軽に運用実績を確認できるサービスも増えていますが、あえてログインしない、アプリをアンインストールしておくなど、運用実績を気にしなくてよい環境を作っておくことも一案です。

改めて、今年の金融市場はさまざまなニュースがありました。昨年末の時点で、ロシアのウクライナ侵攻や、米国での急激な物価上昇を正確に予測できた人は少ないのではないでしょうか。同様に、来年、何が起こるのか、いまの時点で見通すことはできません。投資の目的を忘れず、長い目線で「長期・積立・分散」投資に取り組んでいきましょう。

ウェルスナビ株式会社 小松原 和仁