自民・公明両党が2022年12月16日に公表した「令和5年度税制改正大綱」では、NISA(少額投資非課税制度)制度の恒久化について盛り込まれています。

日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」によれば、特につみたてNISAの口座数は20~40歳代が他の年代に比べて高く、若い世代の投資意欲も高まりつつあります。

今回の「令和5年度税制改正大綱」では、つみたてNISAの年間投資枠の上限や期間はどのようにとりまとめられているのでしょうか。

あわせて、つみたてNISAについてわかりやすく解説していきます。

つみたてNISAとは。「令和5年度税制改正大綱」も確認

つみたてNISAとは、投資信託かETFの中から自分で商品を選び、毎月一定額を積み立てる積立投資のことです。

1/3

出所:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

現在は年40万円まで、最長20年間、通常は運用益に対して約2割かかる税金が非課税になります。

「令和5年度税制改正大綱」では非課税保有期間を無期限化し、恒久的な制度とするようとりまとめられています。

また、「令和5年度税制改正大綱」にまとめられたNISA制度は「成長投資枠」(現行の「一般NISA」)の年間投資上限額は240万円、「つみたて投資枠」(現行の「つみたてNISA」)は年間投資上限額120万円とのこと。

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の非課税投資枠は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)とし、非課税投資期間は無期限としています。

現行のつみたてNISAの年間投資上限は40万円だったため月換算で約3万3000円でしたが、120万円となれば月10万円の積み立てとなります。

なお、「令和5年度税制改正大綱」では現行の一般NISAとつみたてNISAは2023年末で買付終了となりますが、非課税口座内にある商品については、新しい制度の非課税限度額の外枠で現行の取扱いを継続とされています。

つみたてNISAにデメリットはあるのか

年金だけでは生活できないと言われたり、少子高齢化が進んだりする現代においては、特に老後資金を準備する手段の一つとしてつみたてNISAは有効と言えるでしょう。

一方で、今年のような物価高や収入がなかなか上がらない中では、「投資に回すお金がない」「投資はリスクが怖いし、よくわからない」といった問題もあります。

「投資」といってもさまざまな金融商品や投資方法がありますが、つみたてNISAのような積立投資は、長期間毎月積み立てていくことでリスクを低減し、利息に利息がつく複利の効果を期待します。

2/3

出所:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

もちろん運用なのでリスクはありますし、長期間保有せずに売却したり運用をやめたりすることで先ほどのような効果が弱まったりもするでしょう。

そのため自分でリスクや仕組み、商品等についてよく調べること、長期間積み立てても良いと納得できる商品を選ぶこと、また長期間積み立てられる金額を投資することなどが大切です。

また、よくiDeCoと比較されますが、つみたてNISAは原則60歳まで引き出せないiDeCoと違い、途中で売却できるという流動性の高さがあります。

一方でiDeCoは掛け金が全額所得控除の対象となるなど税制上のメリットがあり、つみたてNISAにはない点を考えるとデメリットと言えるかもしれません。

制度や商品の仕組みを理解して使い分けることが大切でしょう。

つみたてNISAを20年間運用した場合をシミュレーション

最後に、以下の条件で運用した場合をシミュレーションしましょう。

3/3

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

つみたてNISA試算条件

  • 月の積立額:3万円
  • 年率:3%
  • 積立期間:20年間
  • 総額:約984万円(うち元本720万円・利益約264万円)

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算

実際に運用できた年率は後になってみなければわかりませんが、元本は720万円・利益約264万円で総額約984万円になりました。

長い人生、途中で月3万円積み立てられないこともあれば、余裕が出て月3万円以上となること、また途中で引き出すことなどもあるでしょう。

ただ貯蓄の一部で運用を取り入れることで、「老後2000万円問題」に備えられる可能性が高くなる場合もあるでしょう。

まとめにかえて

制度の改正や世の中の流れもありますが、投資は自己責任になります。

ご自身で制度や商品、リスク、投資対象などをきちんと確認し納得できる投資をおこなうことが大切となります。

また、運用にはリスクがありますから、家計を全体的に見て金額や商品を選ぶことが大切でしょう。

参考資料