厚生年金と国民年金の水準はどう変わる
検証が行われた2019年度の前提では、現役男子の平均手取りが35.7万円。
夫婦2人の基礎年金13万円+夫の厚生年金9万円(合計22万円)で所得代替率が61.7%となっています。
所得代替率は、夫婦2人の基礎年金と夫の厚生年金をあわせた年金水準が現役世代の手取り月収にたいしてどのくらいの割合かを示した数値です。
そして、今回の検証では所得代替率が以下のように低下する可能性が示唆されています。
◆経済成長と労働参加が進むケース
- Ⅰ 2046年度に51.9%
- Ⅱ 2046年度に51.6%
- Ⅲ 2047年度に50.8%
◆経済成長と労働参加が一定程度進むケース
- Ⅳ 2044年度に50.0%(財政のバランスが取れるまで機械的に調整を進めた場合46.5%)
- Ⅴ 2043年度に50.0%(財政のバランスが取れるまで機械的に調整を進めた場合44.5%)
◆経済成長と労働参加が進まないケース
- Ⅵ 2043年度に50.0%
※機械的に調整を続け2052年に国民年金の財源が枯渇した場合、その時点の現役世代から徴収する保険料と国庫負担で賄えるのは38~36%程度
つまり一番好ましい設定でも所得代替率は61.7%から51.9%に低下。
経済成長が横ばいとなった場合は36%程度まで落ち込む可能性があり、現役男子の平均手取り35.7万円を基準にすると夫婦2人の年金をあわせても月12.8万円という計算に。
年金制度の抜本的な見直しは現役世代の切実な願いだといえるでしょう。