3. 配偶者加給年金は妻よりも夫が年上であればあるほど長くもらえる
老齢厚生年金の受給者の加給年金が支払われる要件には、配偶者が「65歳未満」という制約があります。配偶者を妻とした場合、夫との年齢差で配偶者加給年金はどう変わるか以下にまとめます。
- 【配偶者・年上の妻】老齢厚生年金の受給者自身が65歳になった時点で、妻の年齢はすでに65歳を超えています。残念ながら、配偶者加給年金はもらえません。
- 【配偶者・年下の妻】老齢厚生年金の受給者自身が65歳になった時点から、年下の妻が65歳になるまでの期間、配偶者加給年金はもらえます。
夫が妻よりも年上であればあるほど、配偶者加給年金は、長い間夫の老齢厚生年金に上乗せされます。
なお、妻が老齢厚生年金の受給者、配偶者が年下の夫で、生計を維持している場合も同じ考え方になります。
3.1 配偶者が加入する厚生年金の被保険者期間20年以上で加給年金が支給停止
2022年4月以降の加給年金制度について改正がありました。
その内容は、配偶者の老齢厚生年金や退職共済年金などを実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合(在職により支給停止となっている場合等)は、配偶者加給年金は支給停止されるというものです。
そもそも、加給年金の対象である配偶者に一定の年金収入があるのであれば、わざわざ家族手当を付ける必要はないということで見直しが行われました。
ただし、2022年3月時点で、以下の2つの要件のいずれかを満たす場合は、2022年4月以降も引き続き加給年金の支給を継続する経過措置が設けられています。
- 2022年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている
- 2022年3月時点で、加給年金の対象者である配偶者が、厚生年金の加入期間が20年以上ある老齢厚生年金等の受給権があり、全額が支給停止されている
もし、2022年3月時点で既に配偶者加給年金が上乗せされている場合は、配偶者が65歳になるまで今と同じく加給年金をもらうことができます。