2. 譲渡所得税の計算方法|3つの手順で求めよう
印紙税と登録免許税は定額になっていますが、譲渡所得税は計算が必要です。ここでは、譲渡所得税を求める手順を3つに分けて紹介します。
2.1 手順1.譲渡所得を算出
最初に、下記の計算式で譲渡所得を算出しましょう。
- 不動産の売却価格−売却した不動産の取得費−売却にかかった経費=譲渡所得
売却にかかった経費には、印紙税・仲介手数料・司法書士への報酬といった費用が含まれます。譲渡所得が0円以下になっていれば、譲渡所得税はかかりませんのでこれ以降の計算は不要です。
2.2 手順2.特別控除額を引く
譲渡所得がプラスなら、特別控除額を引いて課税譲渡所得を算出します。特別控除は不動産の種類や状況によって異なり、たとえばマイホームの売却なら3000万円控除を適用可能です。
- 譲渡所得−特別控除3000万円=課税譲渡所得
各種控除については後述の章で解説します。特別控除を差し引いても課税譲渡所得が残った場合、譲渡所得税が生じます。ちなみに、特別控除により譲渡所得税がかからなくても、確定申告は必要です。
2.3 手順3.適用する税率を乗算
課税譲渡所得が生じたら、不動産の所有期間に応じた税率を掛けて譲渡所得税を算出します。
- 短期譲渡所得(所有5年以下):譲渡所得税39.63%(所得税30.63%・住民税9%)
- 長期譲渡所得(所有5年超え):譲渡所得税20.315%(所得税15.315%・住民税5%)
上記の所得税は、復興特別所得税2.1%を加算した数値です。また、所有期間のカウントは、不動産を売却した年の1月1日から数えます。譲渡所得税が生じた人は、不動産売却の翌年に確定申告を行い納税しましょう。