老後資金はいつからどのように始めるか

準備は少しでも早い方が、負担は少なくなります。

20・30代で老後の準備をするのは早いと思うかもしれませんが、資金の余裕があれば早くから始めることはできます。

20・30代は、老後のことよりも住宅資金や教育費などの準備が先です。それでも余裕があるようなら、老後資金を準備しましょう。

というのは、運用期間が長くなることで将来の負担を減らしたり、毎年の節税メリットがあるからです。

具体的な方法として、もちろん預貯金で貯めることもできますが、大きく殖やすことはできません。

生命保険会社の年金保険でも貯めることはできますが、保障という意味では安心できるものの、やはり株や債券、投資信託の方が効率は良くなります。

もちろん、平成の初めの頃までに新規加入した年金保険をお持ちでしたら、大切に持っておきましょう。

他の方法についても解説します。

個別株は、それぞれの会社の業績に左右されることが多く、大きく増える可能性がある反面、破綻したり上場廃止になったりすると価値がなくなってしまいます。

複数の銘柄でリスク分散すれば良いのですが、銘柄が多くなると管理が大変かと思われます。

債券

日本の国債は預貯金と同様、低金利です。債券を考える場合、先進国の債券であれば、日本よりも金利が高いメリットがあります。

デメリットとしては、購入時よりも円高の時に引き出してしまうと、債券であっても元本割れしてしまう可能性があります。満期償還時でも引き出さずに外貨のまま持っておくのも良いでしょう。

投資信託

投資信託はいろいろな種類があります。株式で運用しているもの(株式投資信託)、債券(公社債投資信託)、不動産投資信託など、複数の商品で運用しているので、選択できます。

その中でも毎月の積立であれば、「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用することで、リスク分散もしやすくなっています。

「つみたてNISA」であれば、長期、積立、分散の投資に適した一定の投資信託であり、購入時の手数料がかからないなどメリットもあります。

信託報酬(運用中の手数料)も一定水準以下であり、特別な場合を除きデリバティブ取引を行わない等、安心できるような資産作りに合っています。

つみたてNISAは2042年まで新規投資額で、毎年40万円利用することができます。

筆者作成

iDeCo

iDeCoでは、自分で支払った資金を自分で運用します。運用商品は、定期預金や保険商品、投資信託で運用するため、運用結果によって、将来受け取る金額も違います。

手数料もかかりますが、長期間の運用、節税のメリットを考え利用する方は増えています。

原則60歳(年齢によって65歳)まで資金を受け取ることができませんが、その間に老後資金を積み立てることができ、また所得控除があるため、所得税や住民税の節税効果もあります。