貯蓄水準が高いのは高齢者です。現役のビジネスパーソンではなく、60歳から69歳、70歳以上の貯蓄水準が全体を大きく引き上げています。

つまり、現役世代が資産をいきなり貯めるのは簡単ではないのです。現役世代としては、まずは年収1,000万円という目標にチャレンジするのが現実路線でしょうか。

年収1,000万円と貯金1,000万円はどちらが幸せか

ここまで見てきたように、現役世代にとってはまず年収1,000万円を達成しようと努力する中で資産形成をしていくのが第一歩ではないでしょうか。

仕事で自分が評価され、市場価値が上がるプロセスを体験・体感することには大きな充実感があるものです。ただし、収入が増えるにつれ、所得税、住民税、社会保険料も増えていきます。

年収1,000万円の満足度は、税金等の額とそれらを差し引いた手取り金額、そしてそれで実現できる生活水準など、様々な要素を考え合わせた上でのバランスに過ぎません。

年収が上昇する中で生活水準を極端に上げてしまうと、年収1,000万円をもらっていたとしても、貯金に回したり運用に向けたりする資産が残らないという残念なケースもあります。年収が1,000万円あっても、ゆとりのある生活は必ずしも保証はされていないのです。