11月も終わりに近づき、いよいよ年末です。2022年の目標に貯蓄を掲げていた方もいるでしょう。ここで一度振り返っておきたいですね。

2022年はさまざまな商品の値上げが相次ぐ中、年金の受給額も減り、厳しい1年となりました。

そんな中、自助努力で老後資産を貯める風潮も高まっています。資産形成はとても重要ですが、収入から引かれる税金や保険料を意識することも大切です。

今回は、厚生年金と国民年金から天引きされる税金や保険料について確認していきます。

【注目記事】【年金】みんな「厚生年金と国民年金」は本当は月いくらもらっているのか

1. 厚生年金と国民年金は支払額と手取りが違う

まずは厚生年金と国民年金について、それぞれの平均支払額を見ていきましょう。

1.1. 厚生年金の支払額(月額平均)

厚生年金の受給権者数は2020年度ベースで1610万133人、平均にして14万4366円(国民年金を含む)支払われています。

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出所:厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」

出所:厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」

1.2. 国民年金の支払額(月額平均)

一方、国民年金の受給権者数は3228万1594人、支払額は月額平均で5万6252円です。

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出所:厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」

出所:厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」

国民年金とは基礎年金とも呼ばれ、公的年金のベース部分となるものです。そのため受給権者数は多く、そのうち会社員や公務員等は厚生年金にも加入していると整理できます。

支払額は上記のとおりですが、実際の手取り額は異なります。

1.3. 厚生年金等の手取り額

参考までに、総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)において、直接税の平均は6056円、社会保険料の平均は6158円となっています。

そのため、手取りは1万円以上ずれることがわかります。

年金から天引きされるお金について、もう少し深掘りします。

2. 厚生年金と国民年金から引かれる税金

厚生年金と国民年金は、基本的に雑所得となり所得税(2037年12月31日までは復興特別所得税も加算)が課税されます。また前年の金額に応じ、翌年の住民税もかかります。

ただし遺族年金や障害年金は非課税です。また老齢年金の場合でも、65歳未満の方は108万円以下、65歳以上の方は158万円以下の場合、所得税はかかりません。

所得税は年金から源泉徴収されます。住民税も年金年額が18万円以上の場合は天引き対象となりますが、自治体によっては天引きをやめることも可能です。

3. 厚生年金と国民年金から引かれる社会保険料

また、健康保険料や介護保険料といった社会保険料も、厚生年金と国民年金から天引きされます。

健康保険料とは、具体的に国民健康保険や後期高齢者医療制度(原則75歳以上)の保険料のこと。

また介護保険料は、65歳以上の方がこれまで健康保険料に含めて支払っていた分を、切り離して単独で支払うお金です。

どちらも医療や介護を受けるために必要な保険料ですが、一生涯支払うことに戸惑う方は少なくありません。

税金と違い、どれだけ年金が少なくても支払う義務があるのも特徴です。

4. 年金からの天引き額と手取り額の確認方法

厚生年金と国民年金は、支払額と手取り額が違うことがわかりました。支払額はねんきん定期便などでなんとなく確認している方もいるでしょう。

年金から引かれるお金については、収入によって異なります。年金額が確定しないことにはわかりませんし、住民税や保険料は前年中の所得によって決まるという特徴もあります。

どうしても気になる場合は、市役所等で試算してもらうこともできます。

また年金受給者のもとに毎年6月に届く年金振込通知書には、天引きされるお金が項目ごとに記載されています。

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出所:日本年金機構「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

こうした書類にはしっかり目を通し、マネープランを考える材料に利用しましょう。

5. 老後資金をつくるヒント

老後の生活を支えるのは厚生年金や国民年金といった公的年金です。

それ以外に個人年金保険に加入している方であっても、やはり税金が引かれる可能性はあります。こうした制度はしっかり押さえておきましょう。

手取りをあげるためには、現役時代と同様に確定申告にて各種控除を受けられないか考えることも重要です。

同時に、やはり年金以外の収入源を確保することも重要でしょう。ただでさえ減少傾向にある年金ですが、そこからさらに引かれるお金があることを認識し、さまざまな金融商品で備えておきたいですね。

参考資料

太田 彩子