後期高齢者の保険料は年々増加傾向に

ただし、上限の引き上げは今回に限ったことではありません。例えば2021年度の年間上限は64万円でした。

これが2022年度には66万円に引き上げられたのです。

出所:厚生労働省「後期高齢者医療の保険料賦課限度額について」

また、過去10年以上の推移を追っても増加傾向が見て取れます。さらに、現役世代の自営業等が加入する国民健康保険においても、上限額の引き上げは急ピッチで行われています。

出所:厚生労働省「後期高齢者医療の保険料賦課限度額について」

2008年には限度額が50万円でしたが、2021年には64万円に。今年は66万円に引き上げられましたが、これが80万円と大幅に引き上げられる形です。

ただし、上限に達する年収の目安は当時よりも引き上げられており、その割合は当時より少なくなる見込みとされています。

影響があるのは一部の高所得者のみですが、一方で保険料の水準自体も増加傾向にあります。2022年度と2023年度の保険料は、全国平均で1.8%増加しています。

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和4・5年度の保険料率について」

均等割額と所得割の料率によって決定される保険料は、今後も高くなる可能性が高いです。