後期高齢者医療の保険料上限が伸び続ける背景
後期高齢者医療制度の保険料上限がこのように高くなる背景として、医療費の増加があげられます。
年齢を重ねるほどに、病院にかかる機会は増えるもの。すでに団塊の世代が後期高齢者になりつつある現代、その医療費はますます高まるでしょう。
2025年には団塊の世代がすべて後期高齢者となります。加入している高齢者が支払う保険料だけでなく、現役世代が加入する保険や税金からも拠出される運営費は、年々圧迫されているのです。
こうした背景を受け、2022年10月には後期高齢者の医療費負担として「2割負担」が新設されました。
一定の所得がある方は、これまでの1割負担でなく、2割負担で医療を受けるというものです。
年金が主な収入である高齢者にとっては痛い出費となるものですが、一方で現役世代の負担緩和も喫緊の課題です。
今後の高齢社会を考慮すると、こうした改革は今後も進んでいくと考えられます。
老後も保険料や税金の負担は続く
年金生活になると、税金や保険料の支払いが無くなると思っている方がいますが、これは誤解です。
介護保険料や健康保険料は何歳になっても支払い続けますし、基本的には年金から天引きされます。
65歳以上であれば年金額が158万円以上になれば所得税も課税されるため、こうしたお金の負担は意外に重く感じるでしょう。
また、持ち家ではなく賃貸住まいを続けるシニアも増えています。夫婦で施設への入居を考える方もいるでしょう。
もちろん、持ち家であっても修繕費用や固定資産税は必要です。老後を迎えれば生活費が落とせると思っていても、思わぬ出費は続くもの。
後期高齢者の保険料負担も伸び続ける今、「なんとなく」の老後計画はリスクが高いことがわかります。