3. 繰下げ受給には注意点もある
年金の繰下げ受給には、「長生きしないと元が取れない」という以外にも注意点があります。ここでは代表的な3つの点を押さえておきましょう。
3.1 1. 年金受け取りまで働く必要がある
年金の受給開始を遅らせるということは、それまで無収入になるリスクがあるということです。定年退職を迎えたあとも、何らかの収入を確保する必要があるでしょう。
働き続けるにはスキルや健康が必須になりますし、不労所得を得るにはそれなりの知識や元本が必要になります。いずれにしても、計画的に人生設計を考えることが重要です。
3.2 2. 加給年金が受け取れない
繰下げ受給を利用すると、加給年金が受け取れなくなります。加給年金とは年金の扶養手当にあたるもので、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる年金のことです。
年下の配偶者がいる方や年の離れた子どもがいる方にとって、年金の総額にかかわるとても重要なポイントです。しっかり確認しましょう。
3.3 3. 老後の負担が増えるかも
年金の額面が増えるのは嬉しいものですが、思わぬ影響が出ることもあります。例えば所得税や住民税が大幅に増えることもありますし、介護保険料や後期高齢者医療制度の保険料なども負担が増します。
これらは年金から天引きされるお金なので、振り込まれる手取り額があまり増えないことになります。
さらに、医療費や介護の一部負担金は所得に連動するため、年金額面が高いと3割負担になることもあります。負担に感じてしまうでしょう。