非正規雇用、保育園不足が解消されただけでは、少子化問題は解決しそうもない。見えないところで蔓延しつつある少子化要因をご存じだろうか。

男子と女子の戦い今昔

問いかけたのは、都内の学習塾に勤める女性。回答者は、小学6年生男子だ。

「一番キライなモノ、何」
「女子!」

このやりとりを傍で聞いていた中学1年男子が、小6男子の肩にやさしく手をのせ、「気持ちはわかるけど、敵にだけは回すな」となぐさめるように声をかけた。

2人とも、かなりの成績優秀者。テレでも、皮肉でもなく、どこまでもシリアスな光景であり、深刻さえただよわせていたという。

小学校時代に、男子 vs. 女子の対立は昔もあった。大抵は男子が女子に暴力をふるった。

男子が掃除をさぼる、デリカシーのない男子に、心を傷つけられて泣く女子という構図が通り相場だった。

女子の横暴に泣く小学男子

ところが最近は、デリカシーのない女子の横暴に泣く男子という構図が多い。

「僕はちゃんと『山本さん』と呼んでいるのに、女子は『おい、ノボル』と呼び捨てにしてくる」と訴える。

ちょうどそのとき、件の「山本さん」が通りかかった。

「ノボル、教室で待ってるぞ」と力強く背中をたたいて教室内に走り去っていく。「山本さん」は、「ノボル」より背が高く、声も大きく歯切れもいい。

おとなから見ると、微笑ましく映る光景でも、小学生にとっては憂鬱のタネ。ノボルの表情はくもり、眉間にはシワが寄る。こみ上げる不愉快さを持て余すように、ノロノロとノボルは教室に入っていった。

女子小学生をもつ母親に、この様子を話してみた。

「男子は弱いよ」という話は女子間に飛び交っているそうだが、「キライ」というのは聞いたことがないとのこと。異性ギライはどうやら、男子小学生だけに起きている症状のようだ。

男子から見て女子のどこがズルいのか