国民年金の納付期間の延長検討など、老後資金の不安が増す報道が相次いでいます。

老後を不安視するのは高齢者や現役世代だけではありません。20歳代というこれからの日本を担う若者も、現時点ですでにお金に不安を感じています。

株式会社学情が20代社会人355名に行った「お金の不安」に関する調査をもとに、現代の若者のお金に関する意識を見ていきましょう。

20歳代お金の不安ある約9割…「年収が上がる気がしない」

同調査によれば、「将来のお金」について「不安がある」20歳代が、「やや不安がある」が20.0%となっており、9割以上の20歳代が将来のお金に不安を抱えています。

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出所:株式会社学情「お金の不安」

出所:株式会社学情「お金の不安」

20歳代のコメントも確認しましょう。

  • 「年収が上がっていくイメージがわかない」
  • 「物価は劇的に上がっているものの、収入はなかなか増えない」
  • 「結婚や出産などのライフイベントを考えると、まだまだ貯蓄が少ない」
  • 「奨学金の返済もあり、貯金が出来ていない」

※出所:株式会社学情「お金の不安」

これから仕事に邁進し、中には家庭を築く人もいる20歳代の9割超が将来のお金に不安を感じるという、現代の日本。

もはや全世代が日本の未来に不安を感じているといっても過言ではないかもしれません。

では、そんな20歳代の年収や貯蓄など、お金事情を見てみましょう。

20歳代の年収はいくらか、グラフで見る

国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より、全年代の年収の中から20歳代の年収を確認します。

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出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

20歳代の平均年収:男性・女性

平均年収443万円

  • 20~24歳:287万円・249万円
  • 25~29歳:404万円・328万円

日本の平均年収は443万円ですが、20歳代前半では男女ともに年収200万円台です。

20歳代後半になると男性は400万円台に、女性は300万円台に上がります。

その後の推移を見ると、男性であれば年齢とともに平均年収が上がり、45歳を超えれば年収600万円台になります。

しかし、これは現時点での平均年収。

日本の平均年収は30年間変わらないと言われており、ここ10年ほどは年収400万円台前半で推移しています。

社会の変化も大きく、10~20年後には約半数の仕事が消える可能性があると言われたり、終身雇用制度の崩壊が叫ばれたりと、これまでの当たり前が通じなくなる可能性も高いでしょう。

必ずしも今の平均年収の水準、そして年代ごとの年収の推移が続くとは言えません。

加えて、現段階でも国民年金の納付が65歳未満まで、iDeCoの加入が69歳までと検討されると報じられています。

今の20歳代が老後を迎える頃には、年金制度に頼れないと考える方も多いのではないでしょうか。

20歳代の貯蓄はいくらか、円グラフで見る

次に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」を参考に、単身世帯と二人以上世帯にわけて20歳代の貯蓄事情を確認します。

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

20歳代・単身世帯の貯蓄

  • 平均:179万円
  • 中央値:20万円

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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

20歳代・二人以上世帯の貯蓄

  • 平均:212万円
  • 中央値:63万円

より実態に近い中央値で見ると、単身世帯で20万円、二人以上世帯で63万円でした。貯蓄ゼロも4割前後となっています。

20歳代前半では年収をみても貯蓄は厳しいですが、20歳代後半になると年収も上がり、また結婚される方もだんだんと増えてきます。

しかし貯蓄の実情や先ほどのコメントをみても、金銭的な不安がライフイベントに影響する可能性も考えておきたいところでしょう。

20歳代が収入を増やすための選択肢

先程の株式会社学情の調査では、収入を増やすために行いたいこととして「転職」84.9%、「副業・兼業」52.0%、「資格取得」43.5%が挙がりました。

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出所:株式会社学情「お金の不安」

出所:株式会社学情「お金の不安」

20歳代であれば転職しやすくもあるため、収入を増やす有効な手段となり得るでしょう。

また、副業も最近は増えていますし、4位の投資もNISAやiDeCo制度により始めやすくなっています。

昔に比べればお金を増やす選択肢は増えましたが、それに伴うリスクが増えたのも事実です。

これからは収入を上げるためにも、自分はどんなリスクを、どれだけとれるかという判断がより重要になるかもしれません。

参考資料

宮野 茉莉子