2017年1月から公務員や専業主婦など従来は加入できなかった人にも対象が拡大し、20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できるようになったiDeCo。早速スタートしたという人がいる一方、意外と多くの人を悩ませているのが運用商品選びに加えてその配分比率。iDeCo で積み立てたお金は60歳まで引き出せないため、それと混同してしまい「ずっと同じ商品を同じ配分で買い続けなければならない」と誤解している人が思いのほか多いようです。そこで今回はiDeCoで運用する商品の配分比率の変更や、運用商品そのものの変更についてみていきます。
iDeCoでは月々の掛け金の配分も積み立てた資産の構成変更もできる
iDeCoは自分で運用する仕組みなので、はじめる際には月々の掛け金でどんな商品をどのくらい買うかを考えなければなりません。
もしリスクはとりたくない、あるいは損はしたくないということなら、定期預金を運用商品として選び、節税メリットだけを得ることも可能でしょう。一方、運用でお金を増やすことを考えるなら、元本変動型の投資信託を中心に選ぶことになります。もしくは元本確保型の商品と投資信託を組み合わせてリスクを軽減することも考えられますね。
しかし、こうして決めた商品と配分も、時間がたつにつれて運用成績などから当初思っていた資産のバランスとは変わってきてしまうことがありえます。また、自分の投資経験が増したり環境が変化した結果、掛け金を増減させたり運用方針そのものを変えたりすることが出てくるかもしれません。こうしたとき、iDeCoでは「配分変更」と「スイッチング」という2つの方法で運用する商品を見直すことができます。
配分変更とは
配分変更とは、月々の掛け金で購入する商品の比率を変えることです。たとえば掛け金が1万円で、定期預金70%(7,000円)、投資信託Aに10%(1,000円)、投資信託Bに10%(1,000円)、投資信託Cに10%(1,000円)という比率で運用していたものを、定期預金の比率を40%(4,000円)にして、投資信託A、投資信託B、投資信託Cの比率はそれぞれ20%(各2,000円)に変更するなどといったケースです。こうした配分変更に手数料はかかりません。
ただし、上記のような配分変更は運用方針そのものに根本的にかかわるような変更です。投資経験がある人ほど頻繁に変更する傾向があるようですが、気にしすぎはよくありません。60歳まで運用することを見据えて長期的な目で考えていきたいものです。
ちなみに配分変更を行っても月々の掛け金の中の配分が変わるだけですので、それまでに積み立てた資産の割合は変わりません。
スイッチングとは
配分変更が月々の掛け金の中での割合を変えることだったのに対し、その時点までに積み立ててきた資産の構成を商品の売却や解約などによって変更することをスイッチングといいます。たとえば残高が100万円で、その内訳が商品A・商品Bを各25万円分、商品Cを50万円分保有している場合に、商品Cを25万円分売り、商品Dを25万円分買って、資産A~Dを25万円分ずつ保有するといった手続きです。スイッチングでは月々の掛け金で購入する商品は変わりません。
また、スイッチングにも手数料はかかりません。ただし、運営管理機関によっては一定期間にできるスイッチングの回数に制限を設けている場合があります(最低でも3ヶ月に1回はできるように法律で義務付けられています)。また、信託財産留保額が設定されている投資信託を売却する場合にはコストが発生します。頻繁なスイッチングでコストがかさむこともありえますので注意してください。
なお、配分変更やスイッチングは運営管理機関のホームページでの入力あるいはコールセンターに連絡して行うことができます。
まとめ
いかがでしたか?自分自身で運用を考えるのは大変ですが、自分の資産を自分で作ることができるのはiDeCoの醍醐味でもあります。短期的であまりにも頻繁な配分変更やスイッチングはおすすめできませんが、ライフスタイルが変化するタイミングなどで定期的に見直す計画にしておくとよいでしょう。
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LIMO編集部