2019年に話題となった「老後2000万円問題」をご存知でしょうか。
無職の夫婦が平均的な収支で生活した場合、30年間で2000万円の赤字が出るという試算です。
「老後は年金で悠々自適に暮らす」と考えていた人にとっては、衝撃的なニュースとなりました。
そこで必要な老後資金の目安が「2000万円」と言われ出しましたが、昨今では退職金も多くを望めない現状があります。
そんな中、公務員は退職金がたくさんもらえてうらやましいという声もあります。今回は国家公務員の平均的な退職金を知るとともに、5000万円以上もの高額を受け取っている人の割合も見ていきましょう。
【注目記事】「老後に2000万円必要」はウソ?【役所は教えない】年金だけで暮らしていく方法とは
1. 国家公務員の「退職金」は平均で2000万円を超える
内閣官房が公表する「退職手当の支給状況」によると、国家公務員の退職金は次の通りでした。
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出所:内閣官房「退職手当の支給状況」(2020年度)
1.1 【国家公務員の退職金】退職理由ごとの平均額
- 定年:2142万1000円(受給者数:1万251人)
- 応募認定:2551万9000円(受給者数:1652人)
- 自己都合:299万4000円(受給者数:7019人)
- その他:193万5000円(受給者数:1万719人)
※「その他」には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれています
※「応募認定退職者」は早期退職募集制度により退職した人のことです。
全体の平均は1023万9000円ですが、「定年退職」に限定すると2142万1000円となります。
さらに、常勤職員のうち、一般行政事務職員などが対象の「行政職俸給表(一)適用者」の退職金も確認しましょう。
1.2 【国家公務員の退職金】うち行政職俸給表(一)適用者の退職金平均
- 定年:2127万9000円(受給者数:3760人)
- 応募認定:2276万円(受給者数:863人)
- 自己都合:384万9000円(受給者数:1290人)
- その他:245万4000円(受給者数:1227人)
定年退職で2127万9000円。定年までつとめあげれば、いずれも退職金が2000万円を超えるとわかりますね。
ただし、誰もが2000万円以上を受け取れるわけではありません。
2. 国家公務員の退職金を決める要素
内閣官房の「国家公務員退職手当支給率早見表 (平成30年1月1日以降の退職)」によると、退職金の支給率は以下のように決められています。
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出所:内閣官房「国家公務員退職手当支給率早見表 (平成30年1月1日以降の退職)」
自己都合や定年などの退職理由に加え、勤続年数によっても率が変わることがわかりますね。
では、勤続何年を超えると2000万円以上の退職金になるのでしょうか。
3. 国家公務員の退職金「勤続年数」ごとに確認
勤続年数ごとの退職金をみていきます。「定年退職」の金額を、勤続年数ごとに確認しましょう。
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出所:内閣官房「退職手当の支給状況」(2020年度)
3.1 常勤職員(平均勤続年数36年11月)
- 5年未満:157万6000円
- 5年~9年:476万2000円
- 10年~14年:675万4000円
- 25年~19年:999万4000円
- 20年~24年:1207万5000円
- 25年~29年:1516万1000円
- 30年~34年:2043万5000円
- 35年~40年:2309万4000円
- 40年以上:2236万5000円
3.2 うち行政職俸給表(一)適用者(平均勤続年数39年0月)
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出所:内閣官房「退職手当の支給状況」(2020年度)
- 5年未満:68万9000円
- 5年~9年:425万7000円
- 10年~14年:765万5000円
- 25年~19年:1029万1000円
- 20年~24年:1368万9000円
- 25年~29年:1538万5000円
- 30年~34年:2022万1000円
- 35年~40年:2188万6000円
- 40年以上:2145万9000円
いずれのケースでも、勤続30年を超えると平均退職金が2000万円以上となりました。
うらやましいと言われる公務員であっても、長く働き続けることが重要とわかりますね。
4. 5000万円以上の退職金をもらう公務員も
中には退職金として5000万円以上を受け取る公務員もいます。内閣官房の同資料から、その割合を見ていきましょう。定年退職を含む全体を確認します。
4.1 常勤で退職金が5000円以上の割合
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出所:内閣官房「退職手当の支給状況」(2020年度)
- 5000円~5500万円未満:54人
- 5500円~6000万円未満:26人
- 6000円~6500万円未満:39人
- 6500円~7000万円未満:4人
- 7000円~7500万円未満:1人
- 7500円~8000万円未満:1人
割合にして0.4%が5000万円以上の退職金を受け取っているようです。
4.2 うち行政職俸給表(一)適用者で退職金が5000円以上の割合
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出所:内閣官房「退職手当の支給状況」(2020年度)
うち行政職俸給表(一)適用者の場合、5000万円超えは0人という結果に。最高が4000~4500万円未満の2人でした。
専門職等でない一般行政事務を担う国家公務員の場合、5000万円という高額な退職金を受け取れることはないようです。
5. 老後に向けて年金や貯蓄を考える必要性
今回は公務員の退職金を確認しましたが、そもそも老後資金の必要額は家庭ごとに異なります。
必要額を把握するためにも、まずはねんきん定期便やねんきんネットを利用して、老後の受給予定額を確認しましょう。
退職金を見込める場合は収入見込みに加算してもいいですが、確実に受給できるとは限りません。
豊かな老後を迎えるためにも、資産は十分に確保していきたいものです。
月々の生活費で足りない部分は「私的年金」で、その他は「貯蓄」で備えることもひとつです。
退職金があるからと安堵せずに、わが家のケースを想定しましょう。
参考資料
太田 彩子
