1. 70歳代ひとり暮らし。貯蓄は二極化へ
それでは最初に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和3年調査結果」を元に70歳代・単身世帯の貯蓄事情について見ていきましょう。
このデータによれば、70歳代ひとり暮らしの貯蓄の平均は1786万円、中央値は800万円です。
平均は一部の富裕層に影響され実態より数値が大きくなるため、ここでは中央値を参考にしましょう。
以下は貯蓄額ゼロから貯蓄額3000万円以上までの貯蓄額ごとの分布です。
- 無回答:1.6%
- 金融資産非保有:25.1%
- 100万円未満:5.3%
- 100万~200万円未満:3.3%
- 200万~300万円未満:2.7%
- 300万~400万円未満;2.7%
- 400万~500万円未満:2.0%
- 500万~700万円未満:6.2%
- 700万~1000万円未満:5.3%
- 1000万~1500万円未満:10.4%
- 1500万~2000万円未満:7.1%
- 2000万~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:20.2%
この結果によれば、「金融資産非保有=貯蓄ゼロ世帯」は25.1%です。4人に1人が貯蓄ゼロ状態で老後を過ごしているということになります。
対して、貯蓄3000万円以上の割合を見てみると、20.2%と約5人に1人は潤沢な老後資金を保有しています。
最近はテレビやネットで「日本人総貧乏」や「日本人は全員貧乏になる」などという言葉を聞くことも多いですが、実際は貯蓄を「持っている人」と「持っていない人」の大きな二極化が進んでいるようですね。