65歳以上のリタイヤ夫婦に必要となる老後貯蓄額3:月の支出に「介護費を忘れず」
生活費以外の老後資金として介護になったときの備えも大事です。生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、平均的な介護費用に1人あたり約580万円が必要になります。詳しい内訳は次のとおりです。
介護費用の平均額の内訳
- 一時的にかかった費用:74万円(住宅改造や介護用ベッドの購入などが含まれる)
- 毎月かかる費用:8万3000円
- 平均的な介護期間が5年1か月(61か月)
- 74万円+(8万3000円×61か月)=580万3000円
夫婦の場合、一時的にかかった費用の74万円については、1人だけが必要で2人目は必要ないかもしれませんが、予備費として準備しておいてもよいでしょう。
これらの結果をあわせ、65歳以上のリタイヤ夫婦に必要となる老後貯蓄額とは、「(夫婦の年金見込み月額-定年後の支出月額)×12か月×30年+(580万円×2人)」で計算することができます。
リタイヤ後に必要となる資金については、各家庭の状況によって違いがあるものです。一般的な指標を参考にして不安を募らせるよりも、ご自身の家庭の状況を把握した方が、より具体的に老後のライフプランを描けるはずです。
まとめ
会社員や公務員であれば、退職時の退職金なども受け取れるはずです。どのくらい受給できるのか人事部の担当者に金額を確認しておくと、さらに具体的にリタイヤ後の資金状況をイメージできるでしょう。
参考資料
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回 厚生労働省提出資料)
- 総務省「家計調査報告書(家計収支編)2021年(令和3年)」
- 日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
舟本 美子