しかし、総務省「家計調査報告書(家計収支編)2021年(令和3年)」の結果では、状況が変化しています。
収入が月々20万5911円、支出が月々22万4436円となり、不足額は毎月1万8525円になります。30年不足すると考えると「1万8525円×12か月×30年≒666万円」となり、不足額は700万円ほどになります。
2000万円と比較すると、1300万円も老後資金が少なくて済み「少し気が楽になった」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。
65歳以上のリタイヤ夫婦の場合、そもそも、老後までにいくらの老後資金が必要となるのか、個々の状況とあわせて考えてみた方がよいかもしれません。
65歳以上のリタイヤ夫婦、必要な貯蓄額は月の収支で違う
家計調査での結果は、平均的な65歳以上のリタイヤ夫婦の平均的な数値であり、誰でも同じようにあてはまるわけではありません。
たとえば、前述の家計調査では持ち家率が90%以上になっています。もし賃貸にお住いであれば、家賃だけでなく、共益費や管理費も別途必要になるでしょう。
また、持ち家の場合でも、住宅ローンの支払いが残っているかもしれません。もし自営業者であれば、年金収入が会社員や公務員よりも少ない場合もあるでしょう。
各々の事情により、必要となる金額も変わってくるため、それぞれシミュレーションしてみないことには、本当にどのくらい必要なのかはわからないものです。そのためには、月の収支をおさえることがカギとなります。