中学受験をする小学6年生にとっては、受験本番まで残り数ヶ月。過去問を解いたり、志望校や受験校の最終確認をする時期に突入してきました。
地域によって入試解禁日は異なりますが、一般的に年明けすぐから入試が行われ、2月上旬までが中学受験の山場になります。
受験する場合、中学受験専門塾に通うのが当たり前という風潮が漂っていますが、一概にそうとは言えないようです。
イノベーションシステム株式会社が運営するひまわり教育研究センターが、偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ全国の保護者150人に「お子さんの中学受験」について複数のアンケート調査を行った結果、20.7%の家庭が中学受験対策塾に通わせていなかったことが分かりました。(2022年9月6日公表)
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出所:イノベーションシステム株式会社「[アンケート調査]意外に通塾なしの中学受験組も多い?通塾開始時期は「小学4年生の2月〜小学5年生の1月」 が最も多く、23.3%。「通っていない」も20.7%。」
さらに、ひまわり教育研究センターでは、その中でも解答者の多い「関東地方」と「近畿地方」のデータの違いを比較しています。
同調査から中学受験をする上で塾に行かせない派20%は多いのか、それとも少ないかを考えていきます。
中学受験で非通塾率20%のインパクト
まず最初に確認したいのが、ひまわり教育研究センターの調査では中学受験に特化した塾以外の勉強系の習い事(公文や通信教材など)は対象外としている点です。
ですから、「通わせていなかった」というのは、完全に家庭学習だけで偏差値60以上の中学に合格した家庭のみという意味ではありません。
非塾通いの子どもの中にも、中学受験対策塾には行っていないけれど公文や通信教材で勉学に励んでいた子が含まれていることを忘れてはいけないでしょう。
さて、志望校の偏差値が高くなればなるほど塾通いをしなければ合格を引き寄せることが難しくなると思われていますが、同調査により偏差値60以上の中学に通っている子どもの中に「中受対策に通塾していない」という層が20%以上いることになります。
教育費をなるべく抑えて難関校を突破したいと考えている家庭にとって、「5人に1人は受験のための塾通いをしていないで合格した」という事実は希望の持てる数値です。
とはいえ、「20.7%」はあくまで全国平均です。それでは中学受験熱が高い関東地方や近畿地方のデータを見ていきましょう。
【中学受験の通塾派】関東と近畿の違いは顕著
ひまわり教育研究センターのアンケート調査の保護者の内訳を見ると、関東地方の保護者が61人、近畿地方は33人でした。
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出所:イノベーションシステム株式会社「[アンケート調査]意外に通塾なしの中学受験組も多い?通塾開始時期は「小学4年生の2月〜小学5年生の1月」 が最も多く、23.3%。「通っていない」も20.7%。」
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出所:イノベーションシステム株式会社「[アンケート調査]意外に通塾なしの中学受験組も多い?通塾開始時期は「小学4年生の2月〜小学5年生の1月」 が最も多く、23.3%。「通っていない」も20.7%。」
関東地方の保護者で「中学受験対策塾に通わせていなかった」と回答したのは全体の16.4%(10人)と、全国平均より低い結果になりました。つまり、83.6%は受験のために専門の塾に通わせていたことになります。
関東地方でもある首都圏は私立中学や塾も多いため、確実に合格を引き寄せるためにも、事情に詳しく同じ目標を持つ同級生と切磋琢磨して欲しいと願い、受験対策塾に入らせるというのが自然な流れになっているといえるでしょう。
一方、近畿地方では24.2%(8人)と全国平均を上回っていますが、75.8%が塾に通っていたことを意味しています。この数値を見ると、中学受験をするには受験に強い塾に通うのがセオリーという訳ではないように思えます。
そして、中学受験という世界で考えると「偏差値60以上の中学に通っているのに20%の子が塾通いしていなかった」というのは非常にインパクトがあります。しかし、全国的に小学生の頃から塾に通っている割合はここまで高くはありません。
毎年4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施されている全国学力テストのうち、令和3年度児童調査の「学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか(インターネットを通じて教わっている場合も含む)」という質問に対し、大都市(政令指定都市及び東京23区)の小学6年生のうち家庭教師を含め勉強系の習い事をしている児童の割合は55.4%でした。
全国平均(公立小)の47.4%に比べると高いですが、やはり中学受験をする児童の通塾率は高いことがうかがい知れます。
学び方は多様化。家計に応じた対応で中学受験を乗り切る
高い偏差値の学校に合格するには塾通いは避けられないと一般的に考えられていますが、ICT機器を駆使した学びなど多様化しています。
塾代を始めとした教育費は家計への負担も大きく、「受験したいけれど教育費を今このタイミングで使うのは躊躇ってしまう」と悩むことも少なくありません。
塾ナシで合格を勝ち取った親子の存在は、思い悩む親にとっては朗報です。とはいえ、親塾や家塾で乗り越えるには親の伴走やスケジュール管理が必須ですし、思うように志望校との距離感が分からないこともあります。
現実的に、全く塾と無縁のまま受験に臨むのは不可能に近いです。受験生の中での立ち位置を知るため塾主催の模試に参加したり、時には刺激を求めて季節講習会に参加するなど、レギュラーで塾通いをしなくても塾を賢く利用して、計画を作り志望校合格を目指していきたいですね。
参考資料
中山 まち子
