「投資は余裕のある人がするもの」という考えは段々と減りつつあります。
日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」によれば、年代別のNISA口座数(一般・つみたて)で最も多いのは30歳代です。
なぜ30歳代で投資を始める人が増えているのでしょうか。
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1. 一般NISAとつみたてNISAの違い
まずは一般NISAとつみたてNISAの違いを確認しましょう。
NISAは、運用益に通常約2割かかる税金が非課税になる制度です。
一般NISAとつみたてNISAの特徴は以下の通り。
1.1 一般NISAの特徴
- 投資可能商品:上場株式、ETF、公募株式投信、REITなど
- 買付方法:通常の買付・積立投資
- 年間非課税枠:120万円
- 非課税保有期間:5年間
1.2 つみたてNISAの特徴
- 投資可能商品:長期・積み立て・分散投資に適した一定の投資信託とETF
- 買付方法:積立投資
- 年間非課税枠:140万円
- 非課税保有期間:20年間
一般NISAは通常の買付でも可能ですが、つみたてNISAは積立投資になります。
積立投資は10年以上など、長期間に積み立てを前提とした投資方法で、つみたてNISAなら月100円からと少額でも可能です。
2. NISA口座数は30歳代が最多。一般NISAとつみたてNISAの内訳は
日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」によれば、20~60歳代のNISA口座数は以下の通り。
1.1 【年代別】NISA口座数(一般・つみたて)
- 20歳代:129万口座(30万口座・99万口座)
- 30歳代:224万口座(78万口座・146万口座)
- 40歳代:218万口座(109万口座・109万口座)
- 50歳代:175万口座(57万口座・118万口座)
- 60歳代:140万口座(123万口座・17万口座)
- 70歳代:141万口座(136万口座・5万口座)
NISA口座全体で、多い順に「30歳代、40歳代、50歳代」と現役世代中心でした。
内訳を見ると、一般NISAは「70歳代、60歳代、50歳代」が多い一方で、つみたてNISAは「30歳代、40歳代、20歳代」と若い世代が多くなっています。
一般的に最も貯蓄があるのは60歳代ですが、60歳代では株式や通常の売買を行う方も多く、一般NISAを利用する方も多いでしょう。
一方で、20~30歳代とまだ収入が上がりきらず、住宅ローンに教育費と家計に余裕がない世代でも、NISAを多く利用していました。
NISA全体での口座数で見れば、30歳代が60~70歳代よりも80万口座以上多いのです。
3. NISAの新規買付額は40歳代が最多に
では、新規買付額は年代別でどれくらい異なるでしょうか。
日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」をみると、新規買付額は40歳代が3600億円で最多となり、次に30歳代で3399億円、50歳代で3148億円、60歳代で2852億円でした。
口座数の差と比較すると、50~70歳代の新規買付額は多いように見えます。これはやはりこの年代で教育費や住居費などの負担がなくなり、収入も上がり貯蓄に余裕ができるからでしょう。
とはいえ、先程の口座数を見ると、つみたてNISAの少額投資、かつ分散投資といった側面が、新たに投資をはじめる層を増やしていると言えるでしょう。
4. 20~40歳代でも増える年金不安。厚生年金でも足りない?
これほどにNISA制度をはじめる若者が増えているのは、老後生活、また公的年金への不安が影響しているでしょう。
厚生年金であれば国民年金より手厚いですが、平均月額は全体で14万円台、男性は16万円台、女性10万円台です。
少子高齢化に歯止めはかからず、むしろ悪化しているといえる現代。
2020年の総人口に占める65歳以上の人口割合は28.88%、総人口は1億2533万人。
しかし2050年の65歳以上の人口割合は37.68%、人口は1億192人までに減ると推計されています。
将来の年金額が減るのは避けられず、現代の30歳代という若い年代でも老後に備える方が増えているのでしょう。
5. まとめにかえて
老後に備える上で、NISAは有効な手段の一つです。
来年以降は制度が変更される予定ですので、まだはじめていない方も、今後の動向を見ながら検討されてはいかがでしょうか。



