日経平均は2万7000円台を回復
2022年10月7日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比195円19銭安の2万7116円11銭となりました。5営業日ぶりの反落ですが、それまで上昇が続いていました。
前週まで国内外の株式市場は大きく下落していました。背景には、世界の主要中央銀行が急速に金融引き締めへとシフトしていることがありました。
ただし、2022年10月4日に発表された8月の米雇用動態調査で求人件数が大幅に減少したことから、労働需給の逼迫が緩むとの期待から、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が和らぐとの見方が広がりました。
また、オーストラリア準備銀行(中銀)が2022年10月4日、0.25%の利上げを決めました。それまで市場では0.5%の利上げが予想されていましたが、利上げ幅を縮小したことから、利上げペースが減速するとの観測が広がりました。
日本株は前週まで大きく下落していましたが海外の動向を受けて買い戻しの動きとなりました。ただし、週末にかけては9月の米雇用統計を前に様子見ムードとなりました。
今週の動きはどうなるでしょうか。
米雇用統計は、景気動向を映す非農業部門の雇用者数は前月比26万3000人増と、市場予想(27万5000人増)ほどの増加ではなかったものの、失業率は3.5%となり、市場予想や8月実績(いずれも3.7%)を下回りました。
これにより、市場では、労働需給は依然として引き締まっているとの見方が広まりました。前週から続いていた楽観論が一気に崩れてしまいました。再び、FRBが金融引き締めを続けるとの懸念が強まりました。
これを受けて、2022年10月7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比630ドル15セント安の2万9296ドル79セントとなりました。日本株も週初から下値圧力がかかりそうです。
足元の相場で難しいのは、さまざまな材料により、FRBが金融引き締めを継続すると見られたり緩和すると見られたりすることです。
米株も乱高下しており、判断が容易ではありません。自分なりの軸を持って相場に臨むことが大切です。
今週は12日に米連邦公開市場委員会 (FOMC)の議事要旨、13日に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。