【70歳代世帯】ひと月の生活費はいくらか

では、1世帯あたり20万円前後の年金収入があれば、生活費はまかなえそうでしょうか。総務省「家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)」を参考に、70歳代世帯のひと月の生活費についてみてみましょう。

70代以降の二人以上・無職世帯の消費支出

  • 70~74歳 24万2579円
  • 75~79歳 22万4855円
  • 80~84歳 20万6655円
  • 85歳~ 19万4102円

(参考:総務省「家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)」より)

70代前半では25万円弱、85歳からは20万弱と、年代が上がるごとに消費支出の額は下がっています。とはいえひと月の年金収入が20万円前後である場合、多くの世帯で毎月赤字が発生することが考えられますね。

さらに注意したいのが、この消費支出には、社会保険料や税金が考慮されていない点です。

公的年金からは、介護保険料などの天引きが生じることも頭に入れておく必要があります。年金だけで赤字を出さずに暮らしていける世帯は、決して多数派とはいえないでしょう。

【70歳代】働く割合は何パーセント?「就業状況の実態」

では、70歳代の就業状況も確認しておきましょう。内閣府の「令和4年版高齢社会白書」では、いまのシニア世代の就業率に関する統計が公表されています。

出所:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」

このグラフからは、2011年から2021年の間で就業率の上昇が確認できます。60代と70代では就業率に差が出ていますが、70代前半の就業率は32.6%。じつに3割を超えています。

仕事を持つことは、生きがいを感じ、心身の健康を維持することに繋がるメリットがあるでしょう。ただし、若い頃と決定的に異なるのは、「健康面のリスク」も十分意識した就業が必要となる点。

働き続けることができなくなっても、生活に困ることがないよう、老後を見据えたお金の準備はしっかりと整えておきたいものです。