3. 値下がりしにくい物件の資産価値は築年数でどう変化する?
値下がりしにくい物件の資産価値は、築年数で変化しないのでしょうか。
結論から言うと、どれほどリセールバリューの高い物件であっても、築年数を経るごとに資産価値は減ります。
そもそも物件の資産価値は、土地と建物の価値で決まる仕組みです。
建物の価値は、国が定めた“法定耐用年数”に依存します。法定耐用年数は構造や用途によってきめられているため、国税庁で公開をしている耐用年数を参考にしてみてください。
それぞれの年数に達すると、建物の価値は税法上ゼロになります。つまり、土地の価値である“地価”のみで物件の資産価値が決まるわけです。
こうした理由により、値下がりしにくい物件であろうとも築年数による価値低下は避けられません。
築年数による資産価値の減少を見越すのであれば、地価を高めやすい特徴を持つ物件選びが必要です。
3.1 法定耐用年数=建物の寿命ではない
法定耐用年数は、建物の寿命を示す数値ではありません。あくまで減価償却における基準になります。減価償却とは、法定耐用年数に応じた期間、購入費用を分割して経費計上できる会計処理です。
したがって、法定耐用年数が過ぎた物件であっても居住や売買が可能です。
公益財団法人東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」によれば、2021年の成約物件のうちで築30年超えの中古一戸建ては24%を占めています。中古マンションも築40年超え物件が14.7%で、法定耐用年数を過ぎた物件でも活発に売買されています。
4. まとめ
リセールバリューが高い物件は、将来的に値下がりしにくい特徴を持ちます。
人気エリアや優れた交通アクセス、住みやすい環境などの条件に合致する物件は、中古売買価格に期待できるでしょう。
不動産投資における出口戦略など、物件の売買価格を重視する方はリセールバリューに注目してみてください。
※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。
参照記事
LIFULL HOME'S 不動産投資編集部