2021年の10月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。(初公開日:2021年10月7日)

「人生100年時代」が現実味を帯びる中で、60代定年後も働き続けるか、引退して年金や貯金を頼りに生活していくか、迷われる方も多いでしょう。

60代時点での貯蓄額によっては、働くかどうかの判断材料になりそうですね。

生命保険文化センターの調査によると、預貯金や個人年金保険、有価証券などの老後資金を使いはじめようと考えている年齢は、平均65.9歳です。65歳あたりから、老後資金を使い始める人が多いのですね。

そこで、本日はFPの資格を持ちながらファイナンシャルアドバイスをしている私から、現在のシニア世代の60代以上「無職世帯」と「働く世帯」の割合や貯蓄額の差から、セカンドライフに向けたお話をしていきます。

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1. 60代以上「無職世帯」と「働く世帯」の割合はどれくらい?

総務省統計局が公表する「家計調査 貯蓄・負債編―二人以上の世帯―(2020年)」の第8-10表から、「働く世帯」と「無職世帯」の世帯数分布(1万分比))を確認しました。世帯主の年齢別に、その差を見ていきましょう。

※なお、ここでは「60歳以上の者がいる世帯」を1万世帯と定義しています。

1.1 世帯主が60歳以上:9168世帯

<内訳>

  • 無職世帯:5775世帯
  • 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:1220世帯
  • 勤労者世帯:2173世帯

1.2 世帯主が65歳以上:7446世帯

<内訳>

  • 無職世帯:5473世帯
  • 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:947世帯
  • 勤労者世帯:1026世帯

1.3 世帯主が70歳以上:5469世帯

<内訳>

  • 無職世帯:4405世帯
  • 有業世帯:1064世帯

1.4 世帯主が75歳以上:3220世帯

<内訳>

  • 無職世帯:2838世帯
  • 有業世帯:382世帯

上記のデータをもとに、世帯主の年齢別の無職世帯の割合を出してみます。

  • 世帯主が60歳以上の世帯:63.0%
  • 世帯主が65歳以上の世帯:73.5%
  • 世帯主が70歳以上の世帯:80.5%
  • 世帯主が75歳以上の世帯:88.1%

※小数点2桁以下は四捨五入しています。

現代はシニア世代が働く環境が整いつつあり、60代以降も働き続けるという声も聞かれることでしょう。ただ上記を見る限り、60歳以上の世帯では仕事をせずに過ごしている方のほうが多いようです。

また、70歳を超えると無職世帯がグンと増えている様子もわかります。

2. 65歳以上「無職世帯」と「働く世帯」貯蓄の差はどれくらい?

それでは、無職世帯と働く世帯の貯蓄額をそれぞれ見ていきましょう。

65歳以上世帯の「勤労世帯」と「無職世帯」の貯蓄額に着目します。

2.1 65歳以上・2人以上世帯「勤労世帯」

貯蓄額…1990万円

2.2 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯を除く勤労者以外の世帯」

貯蓄額…2873万円

2.3 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯」

貯蓄額…2292万円

貯蓄額を見ると、勤労世帯が1990万円で一番金額が少ないとわかりますね。

それぞれの貯蓄額の差を見てみましょう。

  • 「無職世帯を除く勤労者以外の世帯」と「勤労世帯」との差:883万円
  • 「無職世帯」と「勤労世帯」との差:302万円


貯蓄差を見てみると、65歳以降も働いている理由の一つとして「貯蓄が少なめである」点があげられるでしょう。

3. 65歳以上の貯蓄、その内訳は?

老後資金である貯蓄について、どのような金融商品で保有しているのかも気になりますよね。貯蓄額の内訳をみていきましょう。

3.1 65歳以上・2人以上世帯「勤労世帯」

<内訳>
金融機関:1980万円、金融機関外:9万円
「金融機関」における内訳

  • 通貨性預貯金:621万円
  • 定期性預貯金:627万円
  • 生命保険など:466万円
  • 有価証券:266万円

3.2 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯を除く勤労者以外の世帯」

<内訳>
金融機関:2862万円、金融機関外:11万円

*******************************************************
「金融機関」における内訳

  • 通貨性預貯金:892万円
  • 定期性預貯金:1054万円
  • 生命保険など:527万円
  • 有価証券:388万円

3.3 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯」

<内訳>
金融機関:2284万円、金融機関外:9万円

  • 「金融機関」における内訳
  • 通貨性預貯金:618万円
  • 定期性預貯金:920万円
  • 生命保険など:397万円
  • 有価証券:348万円

貯蓄の内訳を見ると、いずれも約6割以上が預貯金です。何か起こったときのために、ある程度まとまった額をすぐに動かせる預貯金にしておきたいですよね。一方で、約4割程度は生命保険や有価証券などを活用していることがわかります。

今の60代以上のシニア世代の方も、上手に資産運用を活用していることがわかります。

4. 「人生100年時代」を見据えたお金の準備を

60代以降の「無職世帯」と「働く世帯」貯蓄状況をながめてきました。

定年後に無職世帯の方が貯蓄額が多いという結果をみると、老後に向けた資金準備のスタートのタイミングの差が、60代以降の生活に影響しているといえそうですね。

日常生活に必要となるお金には世帯差や個人差がありますので、「老後にいくら必要だ」と一概にいうことはできません。ただ、今回のように先輩方の貯蓄事情を眺めることは、若い世代がライフプランを立てるうえで一つの参考となるでしょう。

人生100年時代といわれる現代では、今の働く世代の老後はかなり長くなると考えられます。はじめに65歳頃から老後資金を使い始めようと考えると確認しましたが、65歳から使いはじめて100歳まで、約35年間老後資金を使い続けていくことになります。

私たちの寿命が延びている分、老後資産も寿命を延ばす発想がより求められるでしょう。

貯蓄を切り崩していくだけでは減る一方ですが、お金を増やす手段の一つとして考えていただきたいのが「資産運用」です。投資信託や保険、株式といった金融商品で、自分で働かなくてもお金を育てていく方法を考えましょう。

大切な老後資金ですから、できるだけリスクを抑えながら資産運用を行いたいですよね。自分に合った金融商品やリスクを抑えた投資スタイルなどありますので、できれば現役時代から知識と経験を積んでおきたいですね。

資産運用については、今の時代ならではのオンラインセミナーや無料の動画などもあります。上手に活用しながら、老後資金を貯める・守る方法を考えていきましょう。

参考資料