株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年5月19日から5月25日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-海外動向に左右された1週間

今週は、その他金融業株、電気・ガス業株、その他製品株を始め、28業種が上昇。

2017年3月期の市場予想が黒字予想にもかかわらず大幅赤字となったアコム(8572)は、直近、売り込まれていたものの、買い戻しと思われる動きが見られた。

また、外国為替市場における円高/ドル安を背景に、原燃料コストの低減につながるとの思惑から東京電力ホールディングス(9501)は値を上げ、東京ガス(9531)は年初来高値を更新。据置型ゲーム機「Nintendo Switch」等の販売好調が伝わる任天堂(7974)も年初来高値を更新した。

一方、石油・石炭製品株、空運業株など5業種が下落。

世界的な供給過剰が継続していることに加え、米国の戦略石油備蓄(SPR)の半分を売却することが国家債務削減プランに盛り込まれたことを受け、昭和シェル石油(5002)、JXTGホールディングス(5020)などの石油・石炭製品株が軒並み安い。

また、一部外資系証券会社が目標株価を引き下げた日本航空(9201)も軟調。

今後のマーケット見通しの注目点

今週は、海外動向に左右される相場展開となった。特に、先週前半から見ると外国為替市場における円高/ドル安を背景に、電気・ガス業株が物色され、世界的な供給過剰懸念から石油・石炭製品株が冴えない動きを見せた。

トランプ大統領のロシアゲートの疑惑報道が相次ぐ中、29日がメモリアル・デーで米国株式市場は3連休となることを受け、来週は方向感の乏しい相場展開と考える。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎