1. 65歳から受給がはじまる国民年金と厚生年金の受給額とは

60歳代の方が退職を考える際、「年金だけで暮らしていけるか」「年金生活で月にいくら赤字が出るか」を気にされる方が多いでしょう。

日本の公的年金は基本的に65歳から受給します。

では、現在60歳代の方は年金をどのくらい受給しているのでしょうか。

厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況(2020年度)」を参考に、年齢別の年金受給額をみていきましょう。

出所:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況(2020年度)」

1.1 国民年金の平均年金月額

  • 60~64歳:4万2306円(男性:6万2200円/女性:4万9400円)
  • 65~69歳:5万7502円(男性:6万4400円/5万9500円)
     

1.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額

  • 60~64歳:7万5922円(男性:7万4100円/女性:3万7200円)
  • 65~69歳:14万3069円(男性:12万8200円/女性:7万5300円)

※国民年金(基礎年金)の月額を含む

国民年金は、日本に住む20代以上60歳未満のすべての人が加入するもので、年金受給の基礎となる部分です。

ちなみに、国民年金を40年間納めた方の場合、2022年の受給額は満額で6万4816円となります。

会社員や公務員は国民年金に上乗せして厚生年金にも加入しており、平均受給額は国民年金だけの場合と比べても大きくなります。

年金受給額が60歳代前半と後半で大きな差となっている理由は、「受給開始のタイミング」が理由として挙げられます。

現在の年金制度では、65歳よりも前に年金を受給する場合、1カ月前倒しにするごとに原則0.4%ずつ受給額が減る「繰上げ受給」があります。また、厚生年金の場合は「トゥ別支給の老齢厚生年金」でしょう。

65歳からが基本的な受給額となりますが、国民年金のみでは夫婦でも生活が苦しいとわかります。自営業であれば定年がない場合が多いですが、一方でいつまで働けるかわからない不安を抱えているでしょう。

厚生年金の場合、令和4年度のモデル夫婦(会社員の夫と専業主婦の妻)で月約22万円となります。毎月赤字が出る夫婦も多いでしょう。

さらに値上げが続けば、家計や貯蓄への影響が懸念されます。