3. 老後に向けた対策を
60歳代の貯蓄額や年金の受給額を確認しましたが、「シニア世代は裕福」というイメージと実情は違うことが確認できました。特に、金融資産のない世帯が約2割と長い老後生活を乗り切る上では厳しい結果が出ています。
貯蓄がない場合には年金が収入の柱となりますが、年金の受給額も種類によって大きな差が出ます。
自分の貯蓄額や加入している年金などを早い段階で把握し、将来に向けて準備が必要か一度考えてみるのが良いでしょう。
足りないと感じる場合には貯蓄を増やすなど、対策が必要です。
貯蓄がベースになりますが、一部で資産運用などを取り入れるのも良いでしょう。iDeCoやつみたてNISAなど、コツコツ積み立てる積立投資も注目されています。
もちろん資産運用にはリスクも伴いますが、低金利が続く預金などに比べて高いリターンを期待することもできます。
コツコツ積み立てるポイントの一つとして、時間が重要となります。毎月コツコツ積立ることでリスクの低減も見込めますし、積み立てる時間が長ければ長いほど最終的な積み上がり額に大きな差が出ます。
準備の時間が長ければ長いほど取れる対策の数も増えますし、途中で修正もかけやすいでしょう。
長い老後を迎えるにあたって、今後も物価の上昇や年金額の減少など不安な要素が存在します。その他にも、介護など長生きの上では健康に関する問題なども考えられます。
老後になってからお金に困ることがないように、しっかりと準備を行い安心して老後を迎えたいですね。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)8月分」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和3年)」各種分類別データ
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
徳原 龍裕