近年、家事育児と仕事を両立する女性は増えています。
育児休暇を取得して職場復帰する女性は少なくないものの、正社員と家事育児の両立を望む女性が全て復職に成功できるとは限りません。
また、家庭内の事情からパートタイムで働くことを好む女性も多いでしょう。
本記事では、30代・40代の育児真っ只中の女性たちの就業事情について見ていきましょう。
男女ともに「子どもがいる女性が働くこと」に肯定的な見方を示す傾向に
内閣府の男女共同参画局は、女性が職業を持つことに対する意識の変化に関する調査の結果を公表しています。
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出典:内閣府男女共同参画局「令和3年版男女共同参画白書」
「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と回答する男女の割合は、2014年までは4割台、もしくはそれ以下にとどまっていたものの、2016年には半数以上におよびます。
また、上記の表において興味深い点は、いずれの年においても男性より女性の方が女性の就労を肯定的に捉えている点です。
多くの女性たちが、出産後も仕事をすることに前向きな姿勢を示していると言えるでしょう。
子どもを抱える女性は再就職しにくいのか?
男女ともに子どもを持つ女性が働くことに肯定的である一方、子どもがいる女性は企業から好まれにくいのではないかと不安視する声も少なくありません。
幼い子どもがいる間は、急な発熱などで休んだり、独身女性よりも柔軟に働けなかったりするものです。
厚生労働省が公表する「令和3年雇用動向調査結果の概況」における女性の入職率・離職率をみると、25~59歳までの女性における入職率と離職率は、いずれの年代においてもさほど差がありませんでした。
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出典:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」
女性の入職率と離職率を検討するにあたって考慮したいポイントは、出産の平均年齢です。
厚生労働省が公表する「令和2年版厚生労働白書―令和時代の社会保障と働き方を考える―」によると、近年の女性が第一子を出産する平均年齢は30.7歳、第二子を出産する平均年齢は32.7歳です 。
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出所:厚生労働省「令和2年版厚生労働白書―令和時代の社会保障と働き方を考える―」
先程の「令和3年雇用動向調査結果の概況」の表では、34歳以下の女性の離職率は35歳以上の女性の離職率と比較してやや高い傾向にあります。
しかし、この年齢においても入職率と離職率に差があまりないことからも、退職後に再就職することは難しくないと言えるでしょう。
それでも女性が産前のように働くのは難しい
数字で見れば難しくないとは言え、子どものいる女性が自身の思い描くキャリアの実現を目指したり、出産前と同様の条件で働いたりすることは容易ではないようです。
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出典:厚生労働省「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える」
「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える」によると、2010~2014年の時点で出産退職している女性は3割以上います。
あわせて、厚生労働省が公表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」における、女性の入職者に占めるパートタイム労働者の割合を参照してみましょう。
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出典:厚生労働省「―令和3年雇用動向調査結果の概況―」
20~34歳以下の女性の入職者のうち3~4割がパート、35歳以上の女性については半数以上がパートとして入職しています。
ここで注目すべき点は、乳幼児を抱えている女性の割合が高い傾向にあろう34歳以下よりも、35歳以上の方がパートとして入職する女性の割合が高い点です。ある程度成長した子どもを抱えている傾向にある45~49歳の女性についても、約6割がパートとして入職しています。
上記の表に見られる傾向は、厚生労働省が公表する「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」にも表れています。
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出典 :厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
上記の表では、正規の職員・従業員として働く子どものいる女性は年々増加しているものの、末子の年齢が上がることに比例して、正規の職員・従業員として働く女性が増えているわけではありません。
むしろ、末子が4歳以上になると、正社員として働く女性の割合は減少傾向に。
その理由として、子育てと正社員との両立に困難を感じる女性や、年齢などを理由に正社員で働くことを諦めた女性が多いためだと考えられます。
また、子どもは成長につれ少しずつ親離れするものの、親にとっては習い事・部活動の送迎、お弁当作り、夕飯の支度、PTA活動などやらなければならないことは多く、パートを選ぶ方も多いのでしょう。
まとめにかえて
男性は外で働き、女性は家事をするという価値観は一昔前の価値観としてとらえられることも増えています。
しかし、夫婦ともに仕事を軸とした生活を選択すると、家庭や子育てに支障が生じることもあるため、どちらかが家庭を優先にした働き方を選択しなければならないというケースも少なくありません。
子育てをしながら働く女性の中には家族を第一に考え、通勤のしやすさや給与、勤務時間、融通の利きやすさなどを基準に職業選択する方も多いです 。
学生時代の就職活動では自身の興味や憧れなどから応募企業を選択していた女性も、結婚をきっかけに仕事を選ぶ基準が変わってきます。
家庭を持ち、希望のキャリアを歩むことは、社会や企業からのサポートが充実していたとしても現状ではさまざまな観点から難しいと言えるのかもしれません。
参考資料
- 内閣府男女共同参画局「令和2年度男女共同参画社会の形成の状況」
- 厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」
- 厚生労働省「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える」
- 経済産業省 中部経済産業局「女性の就業意識に関する調査報告書」
- 厚生労働省 「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
西田 梨紗
