2. 年金の水準は毎年変わる

もう一つ注意したいことがあります。それは、年金の基準額は毎年改定されるということ。経済成長等により、その基準額は毎年見直されます。

2022年度は前年度に比べ、0.4%の減額となりました。現役時代がその時代の高齢者を支えるという構造上、少子高齢化が進むほどに年金額が減る可能性は高いです。

厚生労働省は「少子高齢化が進んでも将来の所得代替率は約2割減で済む」と試算しています。

所得代替率とは、年金額がその時の現役世代の所得の何%にあたるかを表したもの。所得代替率が下がっても、実質賃金があがれば年金の実質価値が維持されるとしています。

ただし、これはあくまでも日本の経済成長が進み、豊かになっているという前提のもとに成り立つものです。賃金が伸び悩む中で物価だけが上昇している現状では、厳しいといえるでしょう。

つまり、現役世代が同じく「40年間の収入平均が43万9000円だった」として、22万円の年金がもらえるとは言い難いのです。

一方で、専業主婦より共働きが増えた現代においては、夫婦の合計年金は増える可能性もあります。ご自身の年金目安額を知るためにも、ねんきん定期便やねんきんネットなどを確認してみましょう。