1. 【年金クイズ】普通の夫婦なら毎月22万円の年金を受け取っている?

日本年金機構によると、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は、月額21万9593円です。

出所:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

こう見ると、上記の【年金クイズ】の答えは◯に思えますね。

ただし、「標準的な」という条件に着目してみましょう。具体的にあてはまる夫婦は次のように記載されています。

平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

つまり、40年間の収入平均が43万9000円だった会社員の夫と、ずっと専業主婦だった妻という設定での試算結果というわけです。

今の高齢者は、たしかに会社員の夫と専業主婦の妻という夫婦形態が多いでしょう。しかし、給与については千差万別です。

これが日本の平均並みの収入だとしても、だれもが平均的な給与を得ていたわけではありません。

わかりやすいのが国税庁「民間給与実態調査統計」です。こちらの調査によると、2020年の日本の平均年収は433万円。

しかし、実際に「年収400万円超500万円以下」にあてはまるのはわずか14.6%で、55.1%は年収400万円以下なのです。

つまり、平均というのは必ずしも実態を表す数値ではないということ。ましてや、他人の財布事情は外から決してわかりません。

「あの家庭はごく普通の夫婦だから、毎月22万円くらいの年金を受給している」という考えは間違いなのです。