4. 現役時代が年金を受給する頃にはどうなっているか

ここまでご紹介したのは、あくまでも現在の高齢者が実際に受給している年金の金額です。

今の現役時代が老後を迎えた頃、同じような水準の年金が受給できる保証はありません。年金制度が破綻することはないと言われていますが、受給額が減る、あるいは受給開始が遅くなることは十分に考えられるでしょう。

こうした情報にはアンテナを張り、動向を注視しておきたいですね。

一方で、現段階で年金見込額をある程度試算することは可能です。厚生労働省が試験運用中の「公的年金シミュレーター」でシミュレーションしてみましょう。

4.1 試算条件

  • 現在40歳
  • 22歳~29歳まで年収400万円
  • 30歳~39歳まで年収500万円
  • 40歳~60歳まで年収600万円
  • 65歳から年金受け取り

4.2 試算結果

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」

上記の場合、年金見込額は年間185万円となりました。

月平均にして15万4000円なので、平均並みの年金を受給できることが予想できます。

今後の年収や働き方、いつまで働くかによっても変わるため、こうしたシミュレーションで見える化しておくことはとても重要です。

5. まとめにかえて

今の高齢者が受給する年金、さらにはある条件下でシミュレーションした年金予想額をご紹介しました。

年金に対して何となく不安をもっている方は、まず見える化することで現状を把握してみましょう。

その上で、足りないお金の備えが必要になります。老後までの期間を逆算して、自分に会う方法で貯蓄を始めていきたいですね。

参考資料

太田 彩子