5. 高齢者向け施設に不動産投資するデメリット
次に高齢者向け施設に投資をする際のデメリットについてみていきます。
5.1 ①コストが高い
規定により床面積を大きくしなければならなかったり、一定の設備設置の要件を満たす必要があったりします。
そうすると必然的に通常の不動産投資よりも投資規模が大きくなり、コストが高くなります。
その分借入金は大きくなり、借入期間も長くなります。
5.2 ②融通が利かない
融通が利かないというのは、なにかあった際に施設としての転用がしにくいということです。
収益性が見込めないから高齢者向け施設を取り壊してほかの施設を作ろうと考えてもすぐにはできません。
借入金も大きくなるため、取り壊してほかの施設を作ろうにも借入金の返済ができなくなるリスクもあります。
また間取りも一定の要件を満たさなければならないこともあり、特殊な構造になっています。
そのためすぐにほかの施設に転用するのは難しくなります。
通常のマンションアパートのほうが、なにかあったさいに建物を取り壊して駐車場にする、シェアハウスに転用するなど融通が利きます。
5.3 ③リスク対策が必要
入居者が高齢者になるため、事故が起きるリスクが高くなっています。
身体能力が衰えて施設内で転倒しけがをしてしまう、入居者同士で何かトラブルが発生してしまう、入居者と職員の間で問題が発生してしまうといった通常の不動産投資では考えられないリスクが発生します。
事前対策を生じることはもちろんですが、保険に加入をするといったリスク対策をすることが重要になります。
5.4 ④高齢者の人口もそのうち頭打ちになる
統計をみるとたしかに今後も総人口における高齢者の占める割合は高くなります。
ただし、日本の人口自体が減少傾向にあるため、将来的には高齢者の人口も減少していきます。
現状では高齢者の人口が増えていますが、将来的には横ばいもしくは減少に転じるため、そうなった際にほかの施設との競合に負けないようなサービスの提供や口コミといった評判を高めておく必要があります。
5.5 ⑤優良な事業者を見つけるのが難しい
高齢者向け施設はオーナーが建物を建設して、運営に関しては事業者に委任する形が多いです。
その際の事業者選びが難しいです。
優良な事業者を見つけるための情報収集や、見極めるための知識といったことも求められます。
まずは優良な事業者を見つけたうえで建築設計計画をたてるなど慎重に計画を練る必要があります。
6. メリット・デメリットを把握し老人ホームへの不動産投資を検討
今回は不動産投資における高齢者向け施設への投資についてみていきました。
株式や投資信託にもトレンドがあるように、不動産投資にも時代に応じたトレンドがあります。
人口減少と少子高齢化を逆手に取った高齢者向け施設への不動産投資は一種のトレンドであり今後増えていく可能性があります。
ただ不動産投資に限らず投資をするまえにはメリット、デメリットの比較や収益がどのくらい見込めるのかをしっかり考えたうえで行う必要があります。
まずは情報収集をしたうえで投資の判断を行いましょう。
また最近ではJ-REITといった不動産の投資信託以外にも不動産投資のクラウドファンディングといったものも出てきています。
一人では投資金を準備できなくても、同じ想いを持った方が集まることで投資金額を集めて投資を行う方法もあります。
小口での不動産投資でも高齢者向け施設への投資が盛んになってくる可能性があります。
これを機に高齢者向け施設に対しての不動産投資を一考してみてはいかがでしょうか?
※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。
参照記事
LIFULL HOME'S 不動産投資編集部