スシロー、くら寿司、カッパ寿司の業績悪化の主要因は原料高と円安

回転寿司大手3社の業績悪化の主な要因は、原材料の高騰及び円安です。魚介類は輸入が多く、物価高と円安のWパンチにより、他の外食店に比べ原価率が高く薄利多売の回転寿司店のビジネスモデルを直撃しています。

牛丼チェーン店とともに、デフレ時代の勝ち組とされた回転寿司チェーン店ですが、業績悪化を受けて各社の値上げ発表が続いています。

回転寿司は“1皿100円”というイメージがあります。しかし、2022年10月1日にスシローとくら寿司から1皿100円の商品はなくなります。

かっぱ寿司などは1皿100円のメニューが残りますが、回転寿司の1皿100円時代は過去のものとなりつつあります。

インバウンド需要の回復による業績押し上げ効果に期待、海外店中心の元気寿司は黒字を維持

回転寿司は外国人に人気が高く、コロナ禍前は街中の回転寿司店では多くの外国人観光客の姿が見られました。

コロナ禍が一段落し、国内でも今後徐々に外国人観光客の入国規制の緩和が予定されます。それとともに、回転寿司店で外国人観光客の姿を見かける機会も増えると予想されます。

実際に海外中心に回転寿司チェーン店を展開する元気寿司の業績は堅調です。

  • 元気寿司(9828): 22年4~6月期 売上高126億円(前年同期比18%増)、営業利益5億円、当期純利益6億円

元気寿司は大手3社に比べ規模は劣るものの、営業利益と当期純利益のいずれも黒字です。同社は店舗が国内(179店舗)よりも海外(FC含め214店舗)が多く、円安の影響を大手3社に比べ受けにくい状態です。回転寿司の外国人からの人気は健在であり、海外店中心の同社は黒字を維持しています。

しかし同社も国内店舗は苦戦(22年4~6月期 売上高108億円、セグメント利益1億円)しており、国内の回転寿司店の苦境は業界全体を被っています。

回転寿司チェーン店の救世主は海外店舗と外国人といえるのではないでしょうか。