1. 令和における結婚観とは
令和に入ってからの結婚を取り巻く状況について、内閣府が公表する「男女共同参画白書 令和4年版」から読み取ってみましょう。
上図は、これまで結婚経験のない独身者を対象とした結婚の意思についての調査結果をまとめたものです。「結婚意思あり」と回答したのは、20代は男女とも半数を超え、30代は男女ともに46.4%。40代以上をみると、女性よりも男性の方が「結婚意思あり」の割合が高いことが読み取れます。
また、「結婚意思なし」と回答したのは、20代は女性が14.0%、男性が19.3%、30代女性は25.4%、男性が26.5%。30代は男女ともに4人に1人が「結婚意思なし」という結果になりました。
1.1 「結婚意思なし」と考える理由
この調査における「結婚意思なし」とは、結婚を「できればしたくない」「したくない」の累計値を表しています。
積極的に結婚したいと思わない理由の調査結果を見てみると、20~30代の独身女性では「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」が約半数。40~60代の独身女性はこれらの項目に加えて、「結婚相手として条件をクリアできる人に巡り合えそうにないから」「結婚という形式にこだわる必要性を感じないから」「今のままの生活を続けた方が安心だから」「仕事・家事・育児・介護を背負うことになるから」が5割前後となっています。
一方男性の場合は5割以上の項目がなく、20~30代、40~60代のどちらも「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」が約4割という結果になりました。
1.2 新たな出会いが減少したことも影響している?
積極的に結婚したいと思わない理由を見てみると、「結婚することで自由な生活スタイルを変えたくない」という考え方だけでなく、「結婚したいと思える相手がいないから」という考え方の人がいることも読み取れます。
内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」では、2021年4~5月時点で出会いを探している未婚者の回答のうち、感染症拡大前(2019年12月)よりも「新たな出会いが減少した」が13.1%、「新たな出会いが非常に減少した」が17.3%という結果になっています。今後も感染症拡大などの影響から新たな出会いが減少すると、結婚に対する価値観や生活スタイルなどに変化が表れるかもしれません。